
国内最大級のライブ配信アプリ「Pococha」が開催した『Pococha甲子園 2026』。8月9日に福岡で行われた全国大会本戦決勝のDiamondステージで、プロのサックス奏者としても活動する人気ライバー「ななえタン」が2位入賞を果たした。
昨年の同大会では、ラスト30秒で4位に落ちるという悔しい結果に終わった。迎えた2度目の挑戦は、妊娠中というこれまでにない状況での参戦。体調への不安から、エントリーそのものをギリギリまで迷っていたという。
それでも彼女が挑戦を決めたのは、ファミリーの後押しがあったからだった。掲げた目標は順位ではなく、「枠の団結力を高めること」。イベント終了後にリスナーが計算したところ、ポイントだけなら3位。毎日コツコツ積み上げてきたボーナスによって、ラスト1分で2位へと順位が上がっていた。
妊娠を公表した時の葛藤と、それでも変わらなかったファミリーとの関係。ランクが落ち続けた停滞期を抜け出すために続けてきた、具体的な行動。勝つためだけではなかった挑戦の裏側について話を聞いた。記事の最後には、素顔に迫る一問一答も。
妊娠中で挑んだ、2度目の甲子園
ーー入賞が決まった瞬間、最初に浮かんだことを教えてください。
ラスト1分で、想像していた着地の順位を上回ったので、「びっくり」という気持ちでした。「本当に!?」という感じでしたね。
ーー1週間ほど経った今の心境はいかがですか?
じわじわときています。妊娠中での挑戦だったので、配信も元気な時よりは全然できていなかったですし、自分のことに精一杯で、リスナーさんのことを気にかけられることも減ってしまって。かっこいい妊婦さんでいるのって、難しいと思うんですよ。それでもみんながいい結果を残してくれたことが嬉しかったですし、みんなのおかげでかっこいい妊婦さんにしてもらえた。それに対しての感謝と喜びが、少しずつ湧いてきている感じですね。
以前なら、こういう結果は自分も相当努力したから、というところがあったんですけど、今回は完全にリスナーさんのおかげなんです。リスナーさんがいなかったら、本当にただ妊婦が無理をしただけになってしまう。あの登壇の場でスピーチや覚悟を話させてもらえたのもリスナーさんのおかげなので、それがすごく嬉しかったなというのが、じわじわときています。

ーー昨年と今年で、一番違ったことは何ですか?
去年は初めてだったこともあって、難しいルールを曖昧にしか理解できていないところがありました。今年は何回も確認して、準備して挑めたので、そこが明らかに去年と違ったかなと思います。
ーーリスナーさんとのやり取りも変わりましたか?
そうですね。もともと私、みんなに対して遠慮して、全部自分でやるというスタイルだったんです。でも、このイベントはリスナーさんの協力がないと絶対に勝てないので。遠慮せずに「誰々さん、行ってもらえますか」と伝えたり、あらかじめ打ち合わせを立てたりしたところも、去年とは違いますね。
ーー今年はどんな覚悟で挑みましたか?
いつもなら「絶対優勝」という感じで、それ以外は考えないんですけど。今回は妊娠中期の最終週だったので、体調への不安も強かったですし、ルールが複雑な上に体力勝負でもあるイベントなので、ギリギリまでエントリー自体を迷っていました。それでも、ファミリーが挑戦させてくれたのでエントリーすることにして。イベントが終わった後にさらに一体感が強まるような、枠の団結力を高めるという志で挑みました。
飛行機や宿泊の手配もギリギリでした。初めての妊娠で何が起こるかわからないので、優勝や入賞よりも、まず無事にイベントを乗り越えること。そして自分たちだけの目標として、去年いなかった新しい人たちとも枠の一体感を高められたら満足かな、という気持ちではありましたね。

ーー「またこの舞台に戻ってきた」と感じた瞬間はありましたか?
決勝戦の会場に着いた時ですね。皆さんの顔や表情、緊張感で、去年のPococha甲子園を思い出しました。
ーーここまでで一番支えになったことや、エピソードがあれば教えてください。
去年と変わらずの答えになるんですけど、うちのリスナーさん、本当にコメントが少なくて(笑)。積極的に何か支えになるようなことを言ってくる人って少ないんですけど、でも、イベントに勝つために必要な専用アイテムがあって、それを集めるためにリスナーさんの協力が不可欠なイベントなんです。
そんなコメントが苦手な人たちが、難しいルールを頑張って理解しようとしてくれたり、一歩前に出た行動をしてくれたりして。言葉以上に行動があったことが、本当にありがたかったです。協力したいと言ってくれる人がいなかったら成り立たないイベントなので、すごく助かりました。
ーー今回、中部エリアからエントリーされました。地域は意識されましたか?
去年は中国・四国で出て、今年は中部で出たんですけど、地元は東京なんです。ただ、この1年間で東海ウォーカーさんにたくさん出させてもらって、3ヶ月に1回くらい名古屋に行っていたので、中部でエントリーしました。
あとは、作戦的な部分もありました。専用アイテムを集めるために、連携する枠が必要になってくるんですよ。その連携する枠の方って、すごくルールに強くて。その方たちと何人か連携させてもらったんですけど、同じ地域だと不利になるので、その方たちがエントリーしていない地域にしました。

ファミリーと歩んできた道のり
ーー去年から、リスナーさんや枠の存在はどう変わりましたか?
枠がどう変わったかというと、今年の3月までは、すごく新規をたくさん集めて、枠の半分くらいが新しく登録したての人という状況がずっと続いていたんです。それが難しくなったので、いつもいる人だけの勝負になったんですよね。
その状況って、私は結構不安なんですよ。先月も先々月もイベントをやっているので、みんなもう大変なんじゃないかな、と。新規の人もいない中で、どうやってエンジンをかけるんだろうという不安はあったんですけど、逆にずっと同じメンバーで心地よくやらせてもらいました。
その中の半分くらいは、去年の悔しさを知っている人でした。去年はラスト30秒くらいで4位に落ちてしまったので、その悔しさを共有した人もいれば、「ルールが難しいから、大変だから」とずっと言っていた新しい人もいて。リベンジとして気合が入っている感じが伝わってきて、心強かったですね。

ーー「みんなで勝ち取った」と感じた瞬間はありましたか?
イベント終了後に、リスナーさんが純ポイントと特殊ルールによるボーナスを計算してくれたんです。その時にわかったのが、ポイントだけで計算すると3位だったということ。でも、毎日コツコツみんなで協力してボーナスを積み上げてきたおかげで、ラストの1分で2位に上がりました。エントリーした時に目標として掲げていた「枠の団結力を高める」というところが達成できたと感じられて、喜びが倍増しました。
ーー誰にも見せていないけれど、実は抱えていた不安や、自分の「弱いな」と思う部分があれば教えてください。
新規がいつもすごく多いということもあったんですけど、やっぱり私を本当に好きになってくれる人って少ないんだな、というのは思っていて。当然だと思うんですよね。1クラス40人いたら、全員が私のことを好きなわけないから。一生懸命新規で連れてきても、その中で残るのは本当に一握りで。「いつ推し変されちゃうんだろう」みたいなのを、いつも思いながら意外とやってきています。
あと私、トークがあまり得意じゃないんですよ。雑談でもっとリスナーさんを構ったりできたらいいんですけど、それができないから、音楽配信を頑張っているわけで。人によっては私がツンツンしているように見える人もいるみたいで、私が不器用なので誤解されることもあって。分かってくれる人はわかってくれていると思うんですけど、いつも私が思っている感謝みたいなものが、ちゃんとみんなに伝わっているかなと心配になります。
配信を続けてこられた理由
ーーライブ配信を始めたきっかけを、改めて教えてください。
コロナの影響で演奏の場が一気になくなってしまったことがきっかけでした。それまでは全国を回って“流し”のような形で活動していたので、家で演奏して全国の人がリアルタイムで聴いてくれるライブ配信の仕組みには、本当に驚きました。

ーー数あるアプリの中で、Pocochaを選んだ理由を教えてください。
これは結構しっかり吟味して決めました。もう6年以上経つんですけど、最初から「やるからには絶対トップを目指す」と決めていて。運営さんの方針に共感できること、そして自分がリスナーとして楽しめる場所で全力を尽くしたい、という風に決めていたんですね。
なので、いろんなアプリを見たり試したり、お試し配信みたいな感じで1日だけつけてみたり。あちこちでやってみた上で決めました。
決め手になったのは、リスナーさんそれぞれに合った応援の形に意味を持たせるシステムや、無課金でも意味のある応援ができる仕組みをちゃんと用意しているところ。あとはライバーとリスナーさんの雰囲気や、アプリの使いやすさですね。そして「誰かにとっての特別であれ」という、何者でもない人が輝けるステージを目指す運営の方針と、エフェクトの可愛さが気に入って、覚悟を決めてPocochaにしました。
ーーそこまで調べてから決める方は珍しいと思います。
やっぱり共感できないところでは頑張りたくないなというのがあって。絶対トップライバーになるために、すごい努力をするだろうから、途中で萎えないように。結構いろいろ調べてから始めました。
当時は他のアプリも並行してやっていて、そちらの初配信はすごく良かったんです。周りからも「あのアプリでやっていくんだろう」と思われていたんですけど、そんな中でもやっぱりアプリが楽しかったからPocochaに来ましたね。
ーー辛かった時期のエピソードと、それをどう乗り越えたか教えてください。
辛かった時期は、やっぱりランクがキープできなかったり、計画通りに行かなかったり、いつも来てくれるリスナーさんがいなくなっちゃったりした時ですね。大体こういう時って連続するんですよ。結構前なんですけど、5日間くらい連続でマイナスを取ってランクダウンしたことがあって。
乗り越える方法は、すぐ切り替えること。画面の中でも明るく振る舞うことなんですけど、どうやって切り替えるかというと、私の場合は他のプラットフォームに力を入れるんです。依存先が1つだけだと、そこがダメになった時に病んでしまうので。Pocochaがうまくいかない時は、YouTubeに動画を投稿する、TikTokのショートを撮る、うまくなるために練習する、さらに魅力的になるために研究をする。そうすると自然に新しいリスナーさんが増えてきて、停滞する状況から抜けられる。それを繰り返してきました。
今は妊娠中であまり新規を集められていないのですが、今のファミリーで落ち着いていて、すごくありがたいです。Pocochaは私にとって安心できる居場所なので、それが長く続けられる理由です。

「これでよかったんだ」と思えた日
ーー配信人生で一番嬉しかったこと、配信を始めて良かったと感じる瞬間を教えてください。
4月に妊娠報告をした時、みんなの反応がすごく怖かったんです。いなくなっちゃうかな、裏切られたと言い出す人もいるかな、と思っていて。でも、全然そんなことはありませんでした。つわりの体調不良で思うように配信ができず、メンタルも不安定だった時期からPococha甲子園入賞の日まで、みんなが変わらずずっと支えてくれて。ランクも落ちることなくここまでやらせてもらえたことが、すごくありがたかったです。
たくさん迷って、覚悟した後もやっぱり不安や迷いがずっとあって。でも、みんなのおかげで「これでよかったんだ」と思わせてもらえたことで、少しずつ母親になる覚悟ができました。決勝戦の登壇で覚悟を語らせてもらって、リスナーさんたちにかっこいい妊婦にさせてもらったというところが、今までの人生の中で、今のところは一番嬉しかったです。
ーー周囲のライバーさんからの反響はありましたか?
イベントが終わった後に、「実は自分も子供がいるんです」と打ち明けてくれたライバーさんが意外と多くて。「カミングアウトするのってすごく勇気がいることだと思うけど、ちゃんとそういう場で言っていたのが素敵でした」と、わざわざ言いに来てくれた人が何人かいました。「言わない方がいいかな、やめようかな」と思っていたので、言ってよかったなという気持ちになりました。

ーーPOCO LANDに向けて、今から意識していることはありますか?
今のところ、できたら出たいなと思っています。ただ、出産直後なのでエントリーできるかはまだわかりません。POCO LANDの日までに、みんなに初めての出産や育児を見守ってもらいながら、ありのままの感じで過ごしていく中で、どうするかを話していきたいです。
素顔に迫る一問一答

ーー最近ハマっていることは?
私、本当にお酒ばっかり飲んで食事は細かったんですけど、妊娠してから急に甘いものが好きになって。ケーキとか、いきなり食べるようになりました。すごく不思議なんですけど、甘いものばっかり食べてます。
ーー実は苦手なもの・ことは?
時間ですね。時間を守ることとか、時間通りに、計画通りに進行すること。本当に小学生の時から時間が守れなくて。ちょっとシャフなところがあるんですけど、それが許されたのが配信の世界だったという感じです。
ーー休日やプライベートの過ごし方は?
サウナですね。遠征するのも好きで、サウナのために。もちろん近所の銭湯も好きなんですけど、遠征した時に良かったのは、三重県の「新明の湯」というところですね。
ーー最近買ったベストな買い物は?
バルミューダのオーブントースターを買ったんですけど、これは結構いいですね。あと、猫の自動トイレも買ったんですけど、勝手に掃除してくれるので、家事がちょっと楽になっています。
ーー自分を一言で表すとしたら?
「孤独を愛する自由人」か、「寂しがり屋の一人好き」か、どっちかなというところですね。
ーー好きな映画や音楽は?
これもまたサウナの話になっちゃうんですけど、とくさしけんごさんという方がいて。その方がサウナのサウンドトラックを作っているんですよ。つわり中もずっと聞いていましたし、出産の時のバースプランでも「この曲をかけてください」と言っていて。そのくらい好きですね。ドラマ『サ道』のサントラを作っている方です。
歌詞はなくて、インストでリラックスできる感じのもので。もう1年以上、ずっとこればっかり聞いてます。
ーー音楽活動に影響は出ませんか?
逆に、これもさっきの「実は苦手なこと」に入るのかもしれないんですけど、音楽ライバーで音楽が趣味の人って本当にすごいと思っていて。プロの音楽家なのに趣味も音楽で、たくさん聞いています、ライブにも行っていますという人は、本当に天才だなと思います。私の場合、切り替えないと音楽が聞けないんですよ。新しい曲を覚えなきゃ、耳を休めなきゃ、という感じになってしまうので。
メロディーがあると分析し始めちゃうんですよ。それで疲れちゃうので、全くそういう感じにならないものが好き、という感じです。
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POCO LAND 2025:https://livetimes.jp/news/42271/
【独占インタビュー】ななえタン|Pococha甲子園 2025 Diamond Stage 第4位:https://livetimes.jp/topics/interview/36326/













Pococha甲子園 2026
『地元の熱が、はじける夏を。』をテーマに、ライブ配信アプリ「Pococha」が2026年夏に開催した、全国のライバーが頂点を目指す大型イベント。総エントリー数は10,500人を超え、全国6地区での予選、全国大会本戦を経て、福岡で開催された全国大会本戦決勝で日本一の座を争った。冬の大型イベント「POCO LAND 2026」(12月25日開催)とも連動している。
開催期間 全国大会予選(西日本):7/2〜7/6 全国大会予選(東日本):7/3〜7/7 全国大会本戦:8/1〜8/5 全国大会本戦決勝:8/9(昼の部 A・Bランク/夜の部 S4-S6・S1-S3)
特設ページ:https://koshien.pococha.com/
〈ライブタイムズ編集部〉
