
2020年11月、17LIVEで配信活動をスタートし、2024年11月にはついに月間ランキング1位を獲得――。子育てとライバーの両立を成し遂げながらも、新しい舞台で更なる高みを目指し続ける「みお」さんにインタビューを行いました。
ネイリストとして活躍していた彼女が、産休を機に“自分が夢中になれる”ライブ配信の世界へ飛び込んだきっかけとは? そして、数字に惑わされず、自分らしいスタイルを貫いてきた方法やさらなる挑戦のためにTikTokLIVEに進む決断に至った理由とは?
「経験が自信になる」と語るみおさんが、自らの歩みの中で得た気づきやノウハウを語ってくれました。ライバーとして次の一歩を踏み出したい方にとって、きっとヒントになるはずです。
Q1.ライバーを始めたきっかけは?
ライバーを始めたきっかけは、4年前の2020年11月です。当時ちょうど息子が生まれて育児休暇に入ったタイミングで、自分が社会から取り残されているような感覚がありました。そんな時に、もともとちょこちょこ更新していたInstagramに、ライバー事務所からよくある勧誘のDMが来て、「あ、そうだライブ配信っていうのがあったな」と思い出して始めました。
それまではネイリストとして働いていて、店長も務めていたんですが、ライブ配信をどうしても本気でやりたくて結局ネイルサロンの社長に「ライブ配信がやりたいです」と伝えて仕事を辞めました。
配信を始めたのは、特別お金のためというよりも、子育て以外にも自分が夢中になれる何かが欲しかったからです。
Q2.ライバーの魅⼒や楽しさ、ライバーを始めて良かったこと、やりがい
ライバーの魅力は「どこでもいつでも自分のスタイルで配信できる」ことです。スマホ一つで世界中の人と繋がり、自分の世界が広がっていく感覚が楽しいと感じています。
ー特に始めて良かったと思うことはありますか。
特に子育て中の自分にとって良かったのは、子供が熱を出した時など、ネイリスト時代はお客様の予約があり、預け先が見つからないと予約を全てキャンセルしなくてはいけなかったのが大きな不安でした。それがライバーだと、もちろんリスナーさんには申し訳ないですが、「子供が熱を出したので今日はお休みさせていただきます」と一言伝えるだけで済みます。お客様が他のネイルサロンを探す手間や爪の状態が悪くなるような迷惑をかけることもないので、子育てをしながらの働き方としてとても良いなと思っています。
ーやりがいを感じる瞬間は?
やりがいは、自分がライブ配信をやってることによって、周りの人が喜んでくれたりすることですね。具体的に言うと、もちろん日々の配信を楽しみにしてくれてるとか、「それで仕事頑張れる」って言ってくださるリスナーさんもそうなんですけど、1番心に残ってるのは、躁鬱病を抱えてるリスナーさんがいて。その方のこと、ずっと知らなかったんですけど、その方は元々すごく死のうと思ってたらしいんです。でも、みおの配信に出会って通うようになって、「死のう」って思う瞬間がなくなったって。本当に「死ぬ準備をしてたけどやめた」って言われた時、その方はすごく課金する方とかではないんですけど、一人でもそういう方が自分の配信を見て、そういうふうに感じてくれたっていうことが嬉しかったです。
Q3.逆にライバーの難しさ、⾟い部分、挫折した経験
ライバーの難しさは、すべて自分でセルフプロデュースをしなければいけないところですね。辛い部分は、投げ銭やランキングのように、数字がはっきりと目に見える世界であることです。それがそのまま自分の価値だと感じてしまうところが辛いです。
ー挫折した経験はありますか?
挫折した経験はもちろんありますけど、挫折とはあまり考えないようにしています。嫌なことを考えても仕方ないので、「ムカつく」とかそういう感情だけで終わらせてしまいます。自分自身にはイライラしますけど、他人に対してはイライラせずに、すぐ次のことを考えるようにしています。
ーセルフプロデュースはどうやって身につけたんですか?
自分にできない部分や、人と比べて劣っている部分は諦めました。その代わり、自分にできることや、自分のスタイルでリスナーさんを楽しませたり、「ここなら自信がある」というジャンルで突き進んでいくというスタイルにたどり着きました。
ーみおさんの自信があるところは?
自信があるところは、まずポジティブなところですね。あとはライブ配信とは少し違いますが、ライバーというよりも、これまで色々な経験をしてきたことが自信につながっています。よくモデルイベントに挑戦するのですが、その撮影の時やランウェイを歩く時に、今までの経験から得た自信を活かして、自分らしい見せ方ができていると思います。
Q4.⾶躍したきっかけやターニングポイントはあった?
ー最初から順調でしたか?
最初から順調だったわけではありません。1年半前までは、本当に250万ベイビーコインとか300万ベイビーコインに届くのがギリギリな状態で、イチナナの月間ライバーランキング(TOP100)に入るのも、2年前や1年半前まではギリギリという感じでした。
ー飛躍したきっかけやターニングポイントは?
まずモデルイベントに挑戦し始めたことですね。ただ、イベントに挑戦すると言っても、やっぱりトップで大きく引っ張ってくれるリスナーさんがいないと、入賞は難しくて。そういう方が自分の枠にいてくれたのが、一番のきっかけだと思っています。
ーその方は最初から来てくださったんですか?
その方は、モデルイベントに出る1年半前くらいからずっと枠に来てくださっていたんですけど、イチナナでいう「エール」とコメントが中心の方でした。イベントで困っている時などに応援してくださることももちろんありましたが、正直、自分が特別その方に刺さっているとは感じていませんでした。
ところが、1年半前の9月か10月に、その方がギフトボードをその月の1位で応援してくださったんです。それをきっかけに、もともと課金するタイプではなかったその方が本格的に応援してくれるようになり、数ヶ月間、自分の枠を大きく引っ張ってくれました。
そのおかげで枠全体の士気が上がり、自分自身も「応援を無駄にしないように毎月頑張ろう」という気持ちが生まれました。それが飛躍につながった一番のきっかけです。
もちろん、それ以前にもずっとトップで応援してくださった方や、大切なお金を使って応援してくださった方もたくさんいます。ただ、「本当に飛躍したきっかけ」という意味では、その方が応援し始めてくれたことが一番大きかったと思います。
その方が応援を始めてくれた理由としては、9月のモデルイベントに、その方なしで出場して2位になったんですが、その時の様子をずっと見ていてくれていました。その方は実は1年半前からではなく、それよりさらに前、合計すると3年近く自分の枠をずっと見守ってくれていた人だったんです。そして、その次の10月のイベントから、まるですべてを理解しているかのように手を差し伸べてくださったという感じでした。
Q5.活躍し続けるために⼤事にしていることや努⼒していること
活躍し続けるために大事にしているのは、1日の結果で一喜一憂しないことです。やっぱりダメな日もあれば、うまくいく日もあるし、その1日だけがリスナーさんや自分の実力の全てではないので。ライブ配信の特性にメンタルを左右されないように努力しています。
ーモチベーションが下がることはありますか?
モチベーションが下がることもありますが、下がるようなことをしないように心がけています。例えばリスナーさんって、どこに投げ銭しても自由で、他のライバーさんやライバルにも投げていたりするじゃないですか。そういう他の人のギフトボードを見ると、自分も人間なので悲しくなったりすることもあります。だから、そういうものをなるべく見ないようにしたり、自分で「これはモチベーションが下がるな」と感じることは避けるようにしています。
Q6.これからライバーを始める⼈や、もっと活躍したいと思っている ライバーにアドバイスするなら?
ーこれからライバーを始める⼈へ
これからライバーを始める人へのアドバイスとしては、「誰に応援されるか」「どういう方にどんなふうに応援されるか」を大切にしてほしいということです。ライバーはもちろんリスナーさんを選ぶ立場ではありませんが、配信の中でも外でも、誰と関わり、誰の考えに触れ、誰と一緒にいるかというのは、自分自身にもすごく大きな影響を与えると思っています。だから、「応援されれば誰でもいい」ではなく、「どういう方に応援してもらえる自分でいたいか」を意識することが大事だと思います。
ーもっと活躍したいと思っているライバーへ
もっと活躍したいと思っているライバーさんに対しては、私自身も課金して投げ銭をすることがあるんですが、リスナーさんがどんな気持ちで課金して応援してくれているかを知らないと、相手の立場に立てないと思います。ライバーが投げ銭をすることに対して、「それはリスナーさんが投げてくれたお金でしょう」と嫌がる人もいますが、私はリスナーさんの気持ちを理解するために投げています。何か行き詰まったときは、一度リスナーさんの立場に立ってみると、「あ、こういうことだったのか」と気づけることもあるんじゃないかなと思います。
Q7.所属事務所について教えてください!
所属事務所については、17LIVEのゴールドパートナーとしてしっかりと実績があること、自由に活動させてもらえること、そしてアットホームで明るい雰囲気が魅力ですね。所属しているライバーさんも和気あいあいとしている方が多くて、横の繋がりが作れるのもとても良い点だと思います!
Q8.⼈⽣において⼤事にしていることや考え⽅、流儀などがあれば教えてください。
人生において大事にしているのは、「経験がすべて」という考え方です。ライブ配信だけにとどまらず、配信内でも配信外でも、色々な経験を重ねて自分自身を磨いていけたらと思っています
Q9.今後の展望や最終的な夢や⽬標があれば教えてください。
今後の展望としては、やっぱりライブ配信という職業は、リスナーさんからお金を投げてもらって応援していただく形になるので、新規のリスナーさんが増えないと枠のみんなも厳しくなります。そのためにも新規獲得を積極的に進めていく必要があると考えた時に、やっぱりTikTokに挑戦する決断をしました。
もちろん、これまで応援してくれた方の中には「TikTokだと応援できない」という方もいると思いますし、悲しいお別れもあるかもしれません。ただ、最終的な自分の目標は、ライブ配信のトップと言えるTikTokLIVEで上を目指すことです。17LIVEで上位を取っていても、TikTokでは日間ランキングにも入れないくらいレベルが違う現実があるとは思いますが、そこはまた1からスタートする気持ちで、今まで応援してくれた方が全員離れたとしてもやりきる覚悟を持って挑戦していこうと考えています。
みお(後編)|応援してくれた想いを、これからも繋いでいきたい。
〈ライブタイムズ編集部〉