
Pocochaで活躍するサックス奏者でライバーのななえが、TeddyLoidプロデュースの新曲『Night Trip』を10月14日(水)に配信リリースした。同日にはMusic Videoも公開。フジテレビ系全国ネット「全力!脱力タイムズ」10~11月度エンディングテーマにも決まった。
本作は、2026年3月に開催されたPococha×ビクターエンタテインメントのオーディション「THE PRODUCER」での1位獲得を機に実現した一曲。リリースを迎えたななえに、制作の裏側から、ライブ配信が変えた音楽との向き合い方までを語ってもらった。
「1回聴いただけで好きになった」――TeddyLoidが手がけた『Night Trip』

――TeddyLoidさんから最初にデモが届いたとき、どんな印象を受けましたか。
さすがだな、という印象でした。楽曲は何度か聴くうちに好きになっていくものが多いと思うんですけど、1回聴いただけで好きになる曲はそう多くありません。そこはやっぱりTeddyLoidさんだなと。年齢も性別も問わず、みんなに好きになってもらえる曲だと感じて、嬉しかったです。
――最初に聴いたとき、「自分に合う」「歌えそう」と感じましたか。
いや、思わなかったです(笑)。正直、難しそうだなと。令和の曲は音域がとても広くて、ファルセットがあったり、鍵盤で弾くようなメロディーラインだったりしますよね。YOASOBIさんなどが登場した頃から、そうした難易度の高い曲が増えてきました。でも、これをしっかり歌えないと音楽ライバーとしてやっていけない、ついていかなければと思って頑張りました。
――普段はサックスがメインですが、歌うことに対してはどんな感覚をお持ちですか。
シンガーさんと比べると、テクニック面ではまだまだですけど。サックスは人間の肉声に一番近い楽器と言われていて、私ももともと歌の代わりにサックスを吹いているようなところがあったので、歌うことにも抵抗はないんです。
――作詞もTeddyLoidさんが手がけています。タイトルや歌詞はどのように受け取りましたか。特に好きなフレーズがあれば教えてください。
夜のドライブにぴったりな、遊び心のあるワクワクする曲だというのが最初の印象でした。特に好きなのは、最後の「朝が来るまで 抜け出せなくて/ふたりこのまま 溶けていく」という一節です。
歌詞は、聴いた人それぞれが自分の経験と重ね合わせて聴くものだと思うんです。このフレーズで、皆さんがそれぞれ自分なりの青春を思い出すのではないかなと。ときめきを感じさせる、とても好きな一文です。

――歌詞全体を通しては、どう感じましたか。
遊び心のある歌詞ですが、若い人たちだけの物語ではないんです。車好きの方は年齢に関係なく遊び心をお持ちなので、50代、60代の方にも共感していただける内容になっているのが素晴らしいと思いました。
――サックスのパートは、どのように作り上げていきましたか。
テーマのメロディーはもともと入っていて、間奏のソロは自由に吹いてくださいということでした。スピード感のあるフレージングを意識しながら、ポップスのソロでいつも大切にしている、誰でも口ずさめるフレーズを心がけました。複雑すぎるフレーズは、印象に残りにくいと思うんです。
――「口ずさめる」というのは、鼻歌で歌えるようなフレーズということですか。
ジャズのように速すぎたり難解すぎたりするフレーズは、かっこいいけれど聴き流されてしまう印象があるので、なるべくキャッチーにしています。昔はチェッカーズさんの曲をはじめ、多くのJ-POPにサックスが入っていましたが、その時代の曲には難解なフレーズがあまりないんです。私はそういう曲がすごく好きだったので、聴いている人が歌と一緒に間奏も口ずさんでくれるような、すっと耳に入ってくるソロを心がけました。
――今の曲には、あまりサックスが入っていないのでしょうか。
入っていたとしてもシンセサイザーの音だったりして、昔に比べると少ないですね。生のサックスがしっかり入っている曲は、かなり珍しいと思います。

「ちゃんとこの曲が生きるように」――歌入れで意識したこと

――歌入れでは、どんなことを意識して歌いましたか。
以前は、ドラムやベースがガンガン鳴っていても埋もれないような、バンド系の荒々しい歌い方をしていました。でも今は、さらっと聴ける、ストレスのない歌い方のほうがいいと思っています。今回は、フラットだけど、ちゃんと感情は乗っているように聞こえる歌い方を意識しました。
最近は、お気に入りの曲を何度も聴くというより、Apple Musicのランダム再生などで流れてきた曲に「おっ」と思って好きになる聴き方が多いと思うんです。そうなると、昔のように1曲に入魂しすぎると、かえって浮いてしまう。この曲がちゃんと生きるように、個性を出しすぎず、わがままになりすぎないように意識しました。
――ディレクションで、印象に残っている言葉はありますか。
「もっと荒々しくてもいい」と言っていただいたのが印象に残っています。抑えめを意識していたので意外でしたが、「もうちょっと出してきてもいいよ」と背中を押していただき、最後はもっと自由に歌ってみようと、大サビを思い切って歌いました。そのテイクを採用していただいたので、最初と大サビでテンション感が少し違うのも、聴きどころの一つだと思います。
――今回の歌入れを通して、得られたことはありますか。
TeddyLoidさんは素晴らしい方なので、私がどんなふうに歌っても、ミックスで必ずきれいにまとめてくださるという絶対的な信頼があって、それも楽しみの一つでした。歌録りでは、誰に対してもそこまで信頼できるとは限りません。でも今回は、「こうなるかもしれないから、こう歌おう」と守りに入るのではなく、一つ枠を出て、エンジニアさんを信頼して歌うことが大事なんだと改めて感じました。
全面に映像が広がる施設で撮影したMV。お気に入りはドライブのシーン
『Night Trip』のMusic Videoは、横浜の没入型体験施設「ワンダリア横浜 Supported by Umios」で撮影された。同施設でのMusic Video撮影は今回が初の試みとなる。映像には、背後からライトを当て、サックスを吹くななえをシルエットで捉えたカットも収められている。

――撮影の思い出や、MVで注目してほしいポイントを教えてください。
光っている背景はCGではなく、全面に映し出された本物の映像なんです。激しい映像だったので、カメラマンさんは大変だったと思います。あんな場所で撮影できる機会は、おそらく今後ないと思います。
お気に入りはドライブのシーンです。走っている部分はCGですが、実際に車に乗って撮影しました。途中で雨が降ってきて、窓から顔を出して雨に打たれながらの大変な撮影でしたが、それがすごくかっこいい仕上がりになりました。車自体もかっこいいですし、この曲のイメージがまさにあんなドライブだったので、ぴったりのシーンだと思っています。
「ライバーとして頑張ってきてよかった」――『全力!脱力タイムズ』エンディングテーマに決定

『Night Trip』は、フジテレビ系全国ネット「全力!脱力タイムズ」10~11月度エンディングテーマに決定した。エンディングテーマには複数の候補曲がエントリーしており、その中から、楽曲とななえのライバーとしての活動が評価され、採用に至ったという。
――エンディングテーマに決まったと聞いたときの心境を教えてください。
本当に嬉しかったです。テレビならたくさんの方に見ていただけるので、親孝行にもなりますし、リスナーさんにも「応援した甲斐があった」と思っていただけるはずです。地上波のテーマソングは、最初に担当した『開運!なんでも鑑定団』(テレビ東京)のエンディング以来なので、ライバーとして頑張ってきてよかったなと思いました。
――番組をご覧になる皆さんに、どんなふうに聴いてもらえたら嬉しいですか。
普段の生活の中で聴いていただけたら嬉しいです。皆さんの日常に寄り添える1曲になれたら、すごく嬉しいですね。
「アーティストとしての私を決定づけてくれた2曲」――2人のプロデューサーとの制作

ななえは2026年5月、m-floの☆Taku Takahashiがプロデュースした『シリウス』をリリースしており、『Night Trip』は今年2曲目のリリースとなる。
▼『シリウス』リリースの記事はこちら
サックス奏者ライバー・ななえ、5月14日に新曲「シリウス」リリース。プロデュースはm-flo ☆Taku Takahashi【Pococha】
――2人のプロデューサーとの制作を通じて、アーティストとして変化したことや、成長を感じる部分はありますか。
これまでは、歌える歌しか歌ってこなかったんです。でも☆Taku Takahashiさんの楽曲にはラップがあって、これまで絶対にやらなかったことに、練習を重ねて挑戦しました。TeddyLoidさんの曲も、サビで音域が大きく上下するタイプで、今までやったことのないものでした。それでも、曲がいいから歌えるようになりたいという気持ちになれる。シンガーとして成長できたと感じています。
また、自分のアーティスト像がブレていたところもありました。ライバーは、今ヒットしている曲も過去のヒット曲も、なんでもできたほうがいいので、その分ジャンルが定まらなくなっていたんです。以前は、平成生まれながら昭和歌謡風のネオ歌謡曲やネオロカビリーなど、昔風の曲をやるサックスシンガーとして統一していたんですけど、今それをまたやるのもどうかなという気持ちがありました。
そこで今回は、シティポップっぽい、懐かしさと新しさの両方を感じられるもの、というリクエストをしました。作家さんにとってはものすごく難しいリクエストだったと思いますが、さすがプロ中のプロのお二人。楽曲が届いたときは「うわあ、すごいな、やっぱりこういうことだよな」と思いました。私がこれからアーティストとして進んでいく方向を決定づけてくれた2曲になったと思います。
「聴いてくれる人が喜んでくれるから、音楽をやるのが幸せ」――配信が変えた音楽との向き合い方

――普段のPocochaでは、どんな配信をされていますか。
サックスの演奏配信をしていて、幅広いリクエストにその場でお応えしています。最近は少し不定期ですが、もともとは夜8時半ごろから深夜2時ごろまでがメインの時間帯です。
※ななえはPocochaでの配信に加え、YouTubeへの動画投稿にも力を入れている。現在は妊娠中のため更新を休んでいるが、出産後の再始動に向けて動画を撮りためているという。
――Pocochaでは「ななえタン」、アーティストとしては「ななえ」。名前を使い分けているのはなぜですか。
「ななえタン」のほうが親しみやすいかなと思って、Pocochaではそうしています。ただ、CDのクレジットに載せるには「ななえタン」だと少しカジュアルすぎますし、これから30代後半、40代になっていくことも考えて、アーティストとしては「ななえ」にしています。
――配信で日々リスナーの皆さんと向き合ってきたことは、今の音楽活動にどんな形で生きていますか。
昔は、結構頑固だったんです。プロとしてサックスのお仕事をいただき始めて、自分の活動を始めた頃は、売れてもいないのに好きなジャンルにこだわっていました。今思えば、それはよくなかったなと思います。もっと柔軟に「いいものはいいよね」と聴けるようになってから、音楽がもっと楽しくなりました。
それに、音楽は聴いてくれる人がいないと成立しないじゃないですか。以前は、自分がやりたいことができていれば幸せだと思っていました。でも配信を始めてから、聴いてくれる人が喜んでくれるから音楽をやるのが幸せなんだ、と変わっていったんです。もっと喜ばせたい、もっと楽しんでもらいたいという気持ちがどんどん大きくなって、結果的に、昔のヒット曲などもたくさん演奏するようになりました。
そうした今の状態で、新たなアーティスト活動を一歩ずつ踏み出せるのは、私にとって大きな成長だと改めて感じています。配信をしていなかったら分からなかったことなので、本当によかったです。

――もし配信をしていなかったら、どうなっていたと思いますか。
おそらく、売れないまま続けていたと思います。プレイヤーとしてのお仕事で生計を立てつつ、自分名義の作品では、需要をあまり考えずに好きなものだけを追求していたはずです。それはそれで一つの形だと思いますが、やっぱり共感してくれる人がいたほうが楽しいですね。
――今後挑戦してみたいことや、目標を教えてください。
最初は、アーティスト活動をもっと頑張るための配信だったんです。アルバムを出すために始めたことでもありました。それが、配信に必死になるうちに逆転してしまったんですけど、出産後にはまたアーティスト活動を再開して、できれば音源を出していきたいと思っています。この2曲でアーティストイメージを作っていただいたので、引き続きその方向でやっていくつもりです。
――アルバムは、まだ出されていないのですね。
そうなんです。ミニアルバムはあるんですけど、アルバムを出そうというタイミングでコロナ禍になってしまったんです。もともとそれほど売れていなかったので、いずれにしても、まずはファンを見つけるのが先かな、というのもありました。
――ライブでの披露については、いかがですか。
基本的には配信が好きなので、配信を軸にやっていきたいです。ただ、音源を出したときにはリアルライブも開催して、もともと憧れていた大きな会場に頑張って動員したい。それを目標に配信していく、というスタイルを考えています。
「本当にやりたいなら、一番の近道はライブ配信」――夢に挑戦する人へ

――読者の皆さんへ、メッセージと新曲の告知をお願いします。
『Night Trip』が、皆さんの日常の一部になるような1曲になったら、とても嬉しいです。10月14日にデジタルリリースされ、YouTubeではMVも公開されるので、ぜひご覧ください。
――最後に、ライブ配信をきっかけに、これから音楽の夢に挑戦しようと考えている方へメッセージをお願いします。
これは私が本当に強く思っていることなんですけど、無名のアーティストが今回のような機会に出会うのは、とても難しいと思うんです。ここまでたどり着くルートは難しく、しかも狭い。プッシュしてくれる人を探し回って出会うか、自力で発信を続けて見つけてもらうか、それしかないんじゃないかなと。事務所に推してもらうにしても、最初からいい事務所に出会えるとは限りませんし、何も知らない状態で探すのは、女性や若い人にとっては危険も伴うと思います。
でも、配信はやることが分かりやすいんです。人気者になるために、目の前の課題をコツコツこなす。そうして1年後、2年後にトップライバーになる。
トップライバーになって、こういう機会に巡り合ったときに、絶対に自分のものにできるよう備えておく。Pocochaには、楽曲リリースやプロモーション、ライブパフォーマンスなど、ミュージシャンに必要なイベントが毎月あるので、そうしたイベントを応援してくださるリスナーさんに出会うために、日々実力を磨き続ける。すごくきれいじゃないですか。
自分の努力がダイレクトに結果につながりますし、自分さえちゃんと貫いていれば、トラブルに巻き込まれることもかなり少ないと思います。本当にやりたいと思っているなら、夢を叶えるための近道はライブ配信です。ぜひ挑戦してほしいです。
プロフィール
ななえ
サックスプレイヤー/シンガー/ライバー。2017年に歌手デビューし、テレビ東京『開運!なんでも鑑定団』のエンディングテーマをはじめ、テレビ番組や映画の楽曲を多数担当。サックスプレイヤーとしては、imase、川崎鷹也、早見優をはじめ、数々のメジャーアーティストのサポート演奏を務める。2020年にライブ配信アプリ「Pococha」で活動を開始し、長きにわたりトップライバーとして活躍。コラボイベントを通じて「MUSIC AWARDS JAPAN 2026」の公認ライバーにも選ばれた。2026年3月、Pocochaとビクターエンタテインメントが共催したオーディション「THE PRODUCER」で1位を獲得。5月に☆Taku Takahashi(m-flo)プロデュースの『シリウス』を、10月にTeddyLoidプロデュースの『Night Trip』をリリース。
Pococha(ななえタン):https://www.pococha.com/ja-jp/app/users/21be5abd-f2b6-44df-bbce-213d48f5dabd
YouTube:https://www.youtube.com/channel/UCvxg9m6Uhy9OiSei9kOTNSg
TikTok:https://www.tiktok.com/@nanae_sax
Instagram:https://www.instagram.com/nanae_sax/
『Night Trip』リリース情報

アーティスト:ななえ
タイトル:Night Trip
発売日:2026年10月14日(水)デジタルリリース(同日Music Video公開)
作詞・作曲・プロデュース:TeddyLoid
レーベル:ビクターエンタテインメント
タイアップ:フジテレビ系全国ネット「全力!脱力タイムズ」10~11月度エンディングテーマ
主要配信サービス: https://jvcmusic.lnk.to/NightTrip
〈ライブタイムズ編集部〉