
国内最大級のライブ配信アプリ「Pococha」が、全国の頂点をかけて開催した『Pococha甲子園 2026』。8月9日(日)に福岡で行われた全国大会本戦決勝・Platinumステージ(A1〜A3ランク)の頂点に立ったのが、「おもち」だった。
昨年12月の「POCO LAND 2025」Platinumステージ・モダンルールでも1位を獲得しており、今回の優勝で夏冬連覇を達成。夏と冬の大型イベントを連続で制したライバーに贈られる「グランドスラム」の称号を手にした。
配信歴は3年9ヶ月。演奏とトークの配信を続けながら、ライブ配信事務所のトップマネージャーとして約40名の担当ライバーを抱える。そもそも今年は、冬のPOCO LANDに照準を合わせていたという。デビュー8ヶ月でS1からB2まで急転落した過去を経て、今は「ランクを忘れて楽しめる配信を」と語る。「私は止まらないので」と走り続ける彼女に、この半年間について話を聞いた。記事の最後には、素顔に迫る一問一答も。
出るつもりのなかった夏に掴んだ連覇
ーーPlatinumステージの「グランドスラム」を達成した今、見えている景色を教えてください。
まだ実感が湧いていない、というのが正直なところです。私がなったタイミングでPocochaで3人目だったと思うんですけど、普通に考えてすごいことじゃないですか。それなのに、達成しても全然ピンときていなくて。たぶん、称号が届いたら一気に来ると思うんですけど。
後々みんなと、配信で振り返って話をしている中で「本当に達成したんだな」と。今日の夜中もリスナーさんと話していて、やっと実感してきたところですね。
ーー次に見えている景色は?
やっぱり勝つのが好きなので、毎回もう1回勝ちたいと思ってしまうんです。
前回のPOCO LANDはモダンルールで出て勝っているので、今度はクラシックルールで両方を経験するのも目標の1つになるかなと。あとは、Crystalステージで参加してみるのもいいなとか。いろいろ考えています。私は止まることを知らないので、走り続けます。

ーー「勝たなきゃ」というプレッシャーはありましたか?
めちゃくちゃありましたね。最初は、グランドスラムを獲れるかどうかもわからない状態だったんですよ。Pococha甲子園も、去年は1つ下のランクで戦っていて、現地には行っていないんです。
まず、今年の中部地区予選のワンツースリーフィニッシュが全部、所属事務所であるMARU LIVEなんですよ(笑)。全員が同じ事務所で、ポイントも僅差。みんな「おもちさんに勝ちたい」と思っていたはずです。ここで負けたらなめられるので、予選の段階から絶対に勝たなきゃと思いました。
本戦に行ったら行ったで、他の地域の代表になった弟子がいて、そこにも負けられない。今まで戦ってきたライバーさんたちもいる。同じくグランドスラムの対象者だったライバーさんとも戦わなきゃいけない。年末に勝っているからこその重圧は、間違いなくありました。

ーー何度参加しても震える・緊張する瞬間はありましたか?
ありますね。登壇して自分が紹介される瞬間とか。配信をしている分には平気なんですけど、人前に立って注目を浴びるのは緊張します。今回だと、入場のシーンですね。
あれ、恥ずかしいんですよ。最初に紹介動画が流れるんですけど、自分では提出していないんです。運営さんが、決勝の順位を決める最終日のラスト配信を切り取って作ってくださったもので。「情熱大陸みたいになっちゃったな」と思いました(笑)。

ーーPococha甲子園にエントリーしたきっかけを教えてください。
正直、グランドスラムの対象者だということを4月まで知らなかったんです。
Pocochaのイベント特典にオリジナルフィギュアというものがあって、その撮影に行った時に運営さんと話していたんです。「おもちさん、Pococha甲子園に出るんですか」と聞かれて、「今年はどちらかというと年末かなと思っていて」と答えたんです。
そうしたら次の日くらいに、運営さんから直接メッセージが届いて。「POCO LANDを2回制覇してもグランドスラムの対象にはならないので、Pococha甲子園への挑戦も選択肢かもしれません」ということを、わざわざ教えてくれたんですよ。それを聞いて、参加しようと決めました。
ーーもともと出るつもりはなかった、と。
そうなんです。私のターニングポイントが2024年のPOCO LANDなので、Pocochaのビッグイベントといえば、やっぱりPOCO LANDなんですよ。
その時はGoldステージ、要はB帯で6位だったんですけど、まだフリーライバーだったんです。そして、その時のDiamondステージ2位が、今の私の事務所の代表であるしの丸さんで。「この人についていったら、私は何か変わるかもしれない」と思って、2日で事務所への移籍を決め、アカウントを作り直しました。そこからとんとん拍子でいろんなことが変わっていって、今がある、という感じなんです。
ーーエントリーに際して「地元」は意識されましたか?
私は愛知県出身で、ずっと愛知県に住んでいるので。ライバルがいない地域を選ぶ方もいらっしゃると思うんですけど、私は去年からずっと中部にこだわっています。エントリーする段階で、絶対に中部だと決めていました。
「中部といえばおもち」「愛知といえばおもち」と、ライバーさんにもリスナーさんにも覚えてもらえたらなと思っているので。そこは譲らなかったです。

半月間、毎朝5時半から神社へ
ーー予選と本戦の間に、印象的なエピソードがあると伺いました。
中部予選が終わった後、本戦まで半月ぐらい期間が空いたんですよ。その間、リスナーさんとの気持ちを切らさないために、朝の5時半から必勝祈願の配信をしていたんです。
ラジオ配信で、毎朝、徒歩30〜35分ぐらいのところにある神社まで歩いていって、手を合わせて帰ってくる。往復1時間を15日間続けました。めっちゃ暑かったですけど(笑)。
朝起きている人はそんなにいないんですけど、5時半からの配信に結構みんな来てくれて。歩きながらいろんな話をしたり、想いを共有したりして、Pococha甲子園に向けてモチベーションを高めていました。
だんだん人が集まってきて、「何やってるの、ただ散歩してるの?」って言われるんですよ。「いや、違うよ、必勝祈願です」って(笑)。

ファミリーと歩んできた道のり
ーー長く応援してくれているリスナーの存在は、どう変化しましたか?
3年以上、デビュー時期から応援してくださっている方が、今でも通ってくださっていて。ずっと配信に張り付いているわけではないですけど、節目節目で駆けつけてくれる人がたくさんいます。
私のターニングポイントになるところには、すごく駆けつけてくれる人が増えましたね。「注目欄で見たよ」「今すごい頑張ってるね」とか、なんなら2年ぶりくらいに来てくれた人もいらっしゃいますし。みんなが「おもちの物語」みたいな感じで見守ってくれているので、さらに楽しみに見に来てくれるようになっている感じはしました。
もちろん、ライブ配信ってリスナーさんは永遠じゃないと思っているんですよ。だから新しいリスナーさんを求めつつ、長く通ってくれているリスナーさんたちも含めて、みんなで作り上げたイベントだったんじゃないかなと思っています。
ーー長く応援してくれる人への想いを教えてください。
「懲りずに応援し続けてくれてありがとうございます」という気持ちでいっぱいなんですけど、とにかく恩返しをいっぱいしたいと思っていて。
配信を通して「ありがとう」って、誰でも言えると思うんですよ。でも、それ以上に、自分が頑張っている姿勢とか、ライブ配信を楽しんでいろんなファンを作るとか、そういうことのほうが、長く応援してくれるリスナーさんたちは嬉しいと思うんです。私が成長していくところなので。
そういうリスナーさんたちに、いろんな形で恩返しができるように。ずっと言っているんですけど、おばあちゃんになるまで配信を続けたいなって夢見ています。感謝の気持ちを、ずっと恩返ししていきたいので。

配信を続けてこられた理由
ーーライブ配信を始めたきっかけと、Pocochaを選んだ理由を教えてください。
同じ楽器をやっているお友達がPocochaで配信を始めて、私はリスナーとしてスタートしているんです。その半年後ぐらいに、自分もやろうかなと思ったのがきっかけですね。なので、必然的にPocochaでした。他の情報が何も入ってこない状態で。
私は音楽で育ってきているので、そのお友達を見ていて「自分の好きな音楽をここで続けられる場所があるって、素晴らしいことだな」と思って。他の媒体には、正直あまり興味がなかったです。あとは、音楽ライバーさんがめちゃくちゃ多いんですよ。それを見ていいなと思うところもあったので、圧倒的にPocochaだったかなと思います。
ーーこれまでに、辛かった時期はありましたか?
めっちゃありますね。3年9ヶ月もやっていたら、そりゃありますよ。
1番辛かったのは、今でもみんなに「嘘でしょ」と言われるんですけど、まだフリーライバーだった、デビューして8ヶ月ぐらいの時です。S1というランクからB2というランクまで急転落したんですよ。普通なら「私、才能ない」と言ってやめてしまうと思うんですけど、やめなかったんですよね。「まだいける」「なんとかなる」と思って。
でも、いっぱい泣きました。自分の考えがランクに囚われていた時代だったので、すごく暗い配信をしていたと思います。
ーーそこから、どうやって乗り越えたのでしょうか。
乗り越えた方法としては、やめなかったことです。必ずここに座り続けた。それでも来てくれる人がいるんですよ、少なくても。続けていたら、またA帯まで戻って、A2ぐらいで維持できるようになって。とにかく配信を続けて、自分の想いを語って。そうやって乗り越えてこられたかなというところですね。
ーー当時、ランクが落ちてしまった原因は、はっきりしているのでしょうか。
わかっていますよ。ただ、これは今だからわかることで。事務所に入ってめちゃくちゃ勉強して、ライブ配信者として叩き込まれたからだと思います。今は自分がマネージャーという立場でもあるので。
あの時の私に欠けていたのは、感謝と、目標を伝えることでした。S帯に上がったことに満足していたんですよ。だからリスナーさんが、その先の目標を見出せなくなってしまった。「おもちはS帯に満足している。この子は何を目標にしているんだろう」と。他にもライバーさんはいっぱいいるじゃないですか。
あとは、応援してもらえること、枠に来てもらえることが当たり前だと思っていたんです。感謝の気持ちを伝えられていなくて、細かな配慮が欠けていた。今はそんなことはしないですよ。「感謝の塊」って言われるくらい、謙虚に誠実にやっているので。
今回も、決勝が終わった次の日、普通に配信していますからね。ホテルから、朝9時に顔出しで。「昨日楽しかったね、次どうする、何やる」って。私もリスナーさんも、そこで満足したらダメなんです。そこが圧倒的に違うところだなと思います。

ーー誰にも見せていないけれど、自分の「弱いな」と思う部分はありますか?
スイッチが入るまで枠を引っ張りきれない、というところですね。「できるかな」という弱気な自分がいるんですよ。そこを「やってやるぞ」に変えられたら、もっと面白い展開に運べるはずなのに、リスナーさんに動かしてもらってから「じゃあ、いけるのかな」となってしまう。もっと自分主体でいけたら強いのかな、と思います。
「私なんて」と思ってしまうところが、弱いなと。POCO LANDの時も『私なんてと思う私にさよなら』というテーマでやっていたんですけど、さよならしきれていないです。今回も、若干そう思っていました。
これから見に行きたい景色
ーーライバーとしての目標・夢を教えてください。
この話をしたらライバーさんたちには失礼かもしれないんですけど、私、あんまりランクにこだわっていないんです。配信は楽しかったらそれでいい、という考えなので。今後もとにかく楽しく続けたいですね。
もちろんS6に行きたいという目標はあります。でも、こだわりすぎると手に届かなくなると思っていて。今回S4に初めて上がったんですけど、頑張っていたら自然と到達できたんですよ。その日も「S4おめでとう」というタグは全然ついていなくて。リスナーさんたちが私のランクを忘れてしまうくらい、ライブ配信自体をエンタメとして楽しんでくれている。そういうものを今後も作れるライバーになりたいです。
あとは、しの丸さんに本当に恩があるので恩返しをしたいというのはもちろんなんですけど、それ以上に、自分の担当の中から私を越してくれる子を育てたい気持ちのほうが強いかな。越してもらうのは全然ウェルカムなので。自分のように大きな舞台に立ってくれる子を育てたい。後進の育成にも力を入れて、もっと事務所を大きくしたいという夢はありますね。しの丸さんと一緒に。
ーーPOCO LAND 2026に向けて、今から意識していることはありますか?
今から意識していないと。今から動いている人が、勝ちを掴めますから。
私はもう、リスナーさんたちとPOCO LANDの話をしています。じゃないとテンションが作れないので。イベントって、すぐに「応援してください」と言って応援してもらえるわけじゃないんですよ。それまでの過程があるからこそ応援してもらえる。まだ詳細は決まっていないですけど、今からみんなと「どうしようかな」「どういう風にしていく」という話をいっぱいしています。
Pococha甲子園も、運営さんから連絡が来た段階で「どうする?」と話していました。事務所の講習会でも伝えたばかりなんですけど、すぐに応援してもらえることなんてないので、必ず準備をしっかりしてから。今からそこを意識しています。

素顔に迫る一問一答
ーー最近ハマっていることや趣味は?
Pocochaです(笑)。
ーー実は苦手なもの・ことは?
片付けですね。ライバーさんあるあるだと思うんですけど、気づいたら配信のまわりが散らかっているんですよ。でも、部屋の乱れは心の乱れなので、定期的に掃除をしています。
ーー緊張した時に乗り切るルーティーンは?
ルーティーンはないんですけど、ステージに立ったら「これがおもちです」と全部見せ切ってしまう、強気でいく感じですかね。元々楽器演奏者なので、舞台の上でどう振る舞えばいいかは体でわかるんです。あとはもう、勢いと「やるぞ」という気合ですね。

ーー休日やプライベートの過ごし方は?
休日は家族時間ですね。基本的に寝ています。本当につまらないんですよ。オフになったら、そこらへんにいるママさんなので。すっぴん眼鏡でほっつき歩いています(笑)。
ーー最近買ったベストな買い物は?
あんまりお金を使わないんですよ。リスナーさんにもよく知られているんですけど。その中で唯一ちゃんとした買い物は、ブラウスですね。形とデザインが気に入って、色違いで買いました。
ーー自分を一言で表すとしたら?
挑戦者。
ーー気分転換や息抜きの方法は?
やっぱり寝ることなんですけど。私、事務所都合などで定期的に東京に行くんですよ。そういう時は必ず1泊するようにしていて。ホテルのふかふかのベッドで1人でゴロゴロするのが、すごく好きなんです。
普段は忙しすぎて朝も早く起きなきゃいけないので、家ではヨギボーで寝ちゃうんですよ。あんまり良くないんですけど(笑)。だから、泊まった先のホテルで寝るのが最高のリフレッシュだし、ご褒美ですね。
ーー心の支えになっている言葉は?
「なんとかなるよ」ですね。特にPocochaPococha甲子園期間中、みんながずっと言ってくれた言葉なんです。それがすごく支えになりました。
ーー好きな音楽は?
音大出身なので、やっぱりクラシックですね。吹奏楽も好きです。
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Pococha甲子園 2026
『地元の熱が、はじける夏を。』をテーマに、ライブ配信アプリ「Pococha」が2026年夏に開催した、全国のライバーが頂点を目指す大型イベント。2年目となる今年は総エントリー数が10,500人を超えた。ライバーはゆかりのある都道府県を選んでエントリーし、地元の看板を背負って戦う。
全国6地区での予選、全国大会本戦を経て、8月9日に福岡で全国大会本戦決勝が開催された。決勝は昼の部と夜の部の2部制。昼の部で行われたAランク部門・Platinumステージには、北海道・東北8名、関東20名、中部10名、関西10名、中国・四国6名、九州・沖縄10名の合計64名が本戦から進出した。
Pococha甲子園 2026 全国大会本戦決勝/Platinumステージ 最終結果 1位:おもち(8,105,336ポイント) 2位:ゆっきー(5,980,109ポイント) 3位:りっちゃん(5,490,718ポイント)
特設ページ:https://koshien.pococha.com/
〈ライブタイムズ編集部〉
