
TikTok Shop公式イベント3回連続日本1位、累計売上2億円突破。指名料88万円の”世界一の美容師”京極琉が、今、ライブコマース業界を牽引している。
12歳で中国から来日し、23歳で世界一の称号を獲得。自身のブランド「KYOGOKU PROFESSIONAL」を展開しながら、2024年にはライブコマースに特化した会社・LCJ(ライブコマースジャパン)を設立した。
前編では、ライブコマースに全てを懸ける理由、日本一の実績を獲得した要因、再購入率90%超を生む信頼構築のポリシーに迫る。
京極 琉 プロフィール

京極 琉(きょうごく りゅう)
株式会社Kyogoku 代表取締役 / 株式会社Live Commerce Japan 代表 / ライブコマーサー / 美容師
1994年生まれ、中国・上海出身。12歳で来日。ロンドン留学を経て、国際的なヘアカットコンテストで優勝し”世界一の美容師”の称号を獲得。自身のブランド「KYOGOKU PROFESSIONAL」を展開し、サロン指名料は88万円。TikTok Shop公式イベントで3回連続日本1位、累計売上2億円突破。YouTube「令和の虎」では完全ALLを達成し、「虎」としても出演経験あり。
〈インタビュー〉京極 琉(後編)|ライブコマーサーに向いている人とは? TikTok Shop日本一が明かす「成功の条件」と3年後上場の野望
ーー現在取り組まれている活動の全体像について教えてください。
僕自身は12歳から日本に来て、18歳で美容の道を選びました。
18歳で美容の世界に入ってからは、本当に新しい人生の始まりだったと思います。
12歳から18歳までは、正直日本にいながらも言葉の壁があって、ずっと現実逃避をしていました。
そんな中で美容の道を選び、「美容で人生を懸ける」「一生美容でやっていく」と覚悟を決めたのが大きな転機でした。
そこからまず美容師としての道を歩み、20歳で最初のお店をオープンしました。
23歳で世界一の美容師になり、25歳で「京極ブランド」というブランドを立ち上げました。
そして30歳となる今、ライブコマースに特化した「LCJ(ライブコマースジャパン)」という会社を立ち上げ、現在一番注力しているのがこのライブコマース事業です。
LCJは、これまでの購買体験や購買行動を根本から変える、新しい時代へのきっかけになるものだと考えています。
日本国内でそのムーブメントを作りながら、日本の良いものを世界へ、そして世界の良いものを日本へと届ける。国境を超えた購買体験を、ライブコマースを通して実現していきたいと思っています。
現在は、美容の「京極ブランド」をはじめとした複数のブランド運営に加え、ライブコマースを軸にした新しい事務所の形づくり、そして店舗運営。この3つの軸で事業を展開しています。

ーー世界的な美容師としての地位がありながら、なぜ今、「ライブコマース」に全力を注ぐのですか? 参入を決めた当時の想いや、そこに至る衝動を教えてください。
美容師としては、僕自身いま指名料が88万円で、実際に今も現場に立ちながら3枠ほど担当しています。 ただ、23歳で世界一を獲ってからというもの、正直なところ使命感みたいなものが強くなっていて、できる限り多くの人の「美」に関する悩みを解消していきたいという思いがずっとあります。
とはいえ、指名料が88万円で、1ヶ月に対応できるのは多くても3〜4名です。どうしても関わる人数には限界があるんです。
せっかく世界一を獲って技術があるのに、もっと多くの人の人生に関わりたい、もっと広く価値を届けたいという気持ちがずっとありました。 そんな中で出会ったのがライブコマースです。
ライブコマースでは、自分たちが厳選したアイテムを届けることができますし、悩みもコメントでリアルタイムに送ってもらえます。
今は1回の配信で約200人の方が見てくれています。 本来、美容師は1対1の世界ですが、ライブコマースでは1回の配信で何万人、何十万人にアプローチできる可能性がある。そのスケール感は本当にすごいですし、ワクワク感がまったく違いますね。
ーー活動を通して、もっと広く知ってもらいたい・広めていきたいという想いが根本にあるのですね。
やっぱりそこが、「使命」だと思いますね。
実際、ライブを通して、オンライン上ではあるんですけど、購入した後に「琉さんのおすすめで使ってみて、本当に人生が変わりました」っていうコメントを見ると、すごく嬉しいです。
ーーその使命感が沸くのはご自身が”美”を通して人生が変わったから?
僕自身、18歳までは1000円カットに通っていて、ワックスも全く使わず、美容とは本当に無縁でした。
どちらかというと引きこもりに近い生活で、ずっとパソコンゲームをしているようなオタクだったんです。
正直、当時は鏡を見るのも恥ずかしいくらいでした。
そこから美容に触れるようになって、鏡を見て自分の変化を感じたり、楽しめるようになったりして、それが少しずつ自信に繋がっていきました。
その自信って、見た目以上に内側から生まれるものだと思っていて、それだけで幸運を引き寄せられるようになった、という実体験もあります。
だからこそ、本当に「美」は努力次第で、いくらでも手に入れられるものだと思っています。
ーーTikTok Shop参入後、短期間で日本一の実績を獲得しました。最大の要因は何だったと分析していますか?
最大の要因は、KGファミリー(京極氏のファン・リスナー)です。
KGファミリーは、0から少しずつ作り上げてきました。実は、ライブコマースが始まる2年前から、いつか日本でもTikTokでライブコマースが始まるだろうと思って、その下準備として毎日配信を続けてきたんです。
その時点でフォロワー自体は20万人くらいいたんですけど、実際にライブをつけると0人、みたいなことも全然あって、本当にマンツーマンミーティングみたいな状態でした。
そこから1年、2年かけて、徐々に徐々にコミュニティを育ててきたというのがあって、KGチームには本当に感謝しています。それがあったからこそ、今のKGファミリーがあると思っています。

ーー商品を仕入れて売るだけでなく、京極さんのように自ら「メーカー機能を持つ(扱う)」ということは、ライブコマースで大きな成果を出す上で、重要なことなのでしょうか?
メーカーに関しては、もともとうちはメーカーからやり始めていて、そこからライブコマースの可能性を感じて移行した、という流れでした。
ただ、基本的にほとんどの会社さんは、まずライブコマースで成功して、そこから自社ブランドを立ち上げる、というスタートの仕方をしていますよね。
その点、うちは最初から完成している状態でこの業界に入っているので、そこが強みだと思っています。なぜ強いかというと、本当にKGファミリーのみんなが喜んでくれるのであれば、利益度外視でまず盛り上げることができるからです。
極端な話、完全に赤字でも、売れば売るほど赤字でも、「楽しいならそれでいい」という形で企画を作ることができます。
これは、自分たちのブランドを持っていない会社さんには、どうしても仕入れや原価が発生してしまうので、絶対にできないことだと思っています。
うちは、その場で即決できたり、ライブコマースでも、その瞬間の利益を最優先するというよりも、体験や「みんなで一緒にその時間を人生のハイライトにする」ということを大事にしています。それが純粋に、すごく楽しいんですよね。
結果的に、ライブコマースで多くの人に見てもらうことで、マルチチャネルで自分たちのブランドがさまざまなところに広がり、売り上げも作れていきます。なので、やっていることは全然矛盾していないと思っています。
もちろん商品力次第ではありますが、KGの商品に関しては、1回購入してもらうと、90%以上の方が再購入してくれています。
キャンペーンをリアルタイムで行える点も含めて、そこも大きな強みですね。
──企業がライブコマースに参入する上で、直面しやすい課題は何ですか?
他の企業さんの場合、まずライバーさんを探して、そこから関係性を作っていきますよね。さらに、そのライバーさんに卸すブランドさんも探さなければいけません。
それに、ライバーさんは人なので、どうしてもコントロールできない部分があります。移籍の問題だったり、関係性の維持が大変だったりすることもあります。
ライブコマースは、通常のライブ配信事務所と比べて、商品やブランドが絡んでくる分、その管理が意外と複雑になってくると感じています。
ーーライブコマースで成果を出すために、特に重要だと感じているポイントはありますか?
今は、ブランドから「売ってほしい」という依頼が、だいたい毎月100社ほど来ています。そこから厳選して、実際に扱うのは15社くらいですね。
そこで気をつけていること、成果を出すためにやっていることとしては、まず圧倒的にKGファミリーがそのブランドを好きになれるかどうかです。その前提として、僕たちのチーム自身がそのブランドを本当に好きであることを大事にしています。
そのうえで、KGファミリーがいちばん喜んでくれるセットの作り方や、キャンペーン時の割引率の設計などを考えています。あとは、確実で信頼できるアフターフォローですね。ここは、いちばん重要視しているポイントです。

ーー画面越しの接客で最も難しい「信頼」をどう作っていますか? 視聴者と向き合う上で大切にしているポリシーを教えてください。
本当に、日本語にすると普通のことなんですけど、「絶対に嘘をつかない」。これは絶対です。売るために変に盛ったりせず、ありのままでいることですね。
それさえ根本的に守っていれば、絶対に大丈夫だと思っています。
あとは、自分たちが本当に使っているものであれば、その良さや使用感をきちんと伝えることです。そして、それを使うことで、どんな悩みがどうやって少しずつ改善されていくのかを、ちゃんと真実として伝えれば、きっと人の心は動くと思います。
そこにプラスして、エンタメとしての要素とうまくバランスを取りながら、ライブコマースでしか届けられない購入体験を届けていく。それが大事だと感じています。
ーー順風満帆に見えますが、ライブ配信で「全く売れない」「伝わらない」といった壁にぶつかったことはありますか? その時、どうメンタルを保ち、改善に繋げましたか?
それは、すごくありますね。
全く売れない、というより「これは動かないな」と感じるときは、すべて準備だと思っています。
実際にあった話なんですけど、そのときは服の案件で、モデルさんの質もすごく大事で、もともと準備していたモデルさんがあまり来られなくなってしまって、ブランドのスタッフさんが実際に服を着て出演する形になりました。
僕も一応説明はするんですけど、画面を見ながら「ちょっと違うな」と思いながら話していたんですよね。そうやって心の中でブレが生じると、それがもう数字に出るんです。数字が伸びづらかったり、反応が鈍くなったりして。ただ、それも全部経験だと思っています。
失敗は別に失敗じゃなくて、成功までの道の中にある過程なので、そういうことがあるからこそ、「次はもっと準備をしよう」と思えるし、どんなに良い商品でも、見せ方が違えば全然違うものに見えてしまう。だからこそ、見せ方をもっと工夫したり、よりワクワクするような体験を、ライブの中で意識して届けるようになりました。
人って、ずっと順調なまま進むことのほうが、危険だと思っていて。むしろ、時々こういう失敗があったほうが振り返ることができるので、結果的にはそれがすごく良かったですね。
ーー実際に取り組んでみて、ライブコマースの難易度は高いと感じますか? その理由もあわせて教えてください
ライブコマースが難しいかどうかというより、まずは0からやる、というところですね。最低でも毎日2時間は必ずライブをつける必要があり、それを少なくとも1ヶ月は続けなければなりません。
いきなり配信をつけてすぐにうまくできる、ということは正直ないと思っています。
だから逆に言うと、みんな何もない状態からスタートしているので、努力次第でどんな未来でも掴める業界です。
実際、ライブコマースの販売力ももちろん大事なんですけど、根本的に言うと、ライブコマースってテレビのチャンネルと同じなんです。
KGチャンネルを見ている人は、習慣としてKGチャンネルを見て、KGチャンネルで商品を購入しています。
なので、「いかに売るか」というテクニックも大事ですが、どれだけ売るテクニックや良いコンテンツがあったとしても、そもそもチャンネルを見る人がいなければ、やっぱり売れないんです。
ただ、これってバランスだと思っていて、逆に言うと、有名な人や芸能人が1回配信をつけて、いきなり2,000人、3,000人と人が集まったとしても、売るテクニックがなければやはり売れません。
ただ、うちのLCJの実績で言うと、未経験から始めた人でも1ヶ月で100万円の売上は作れています。正しくやれば、誰でも到達できるラインだと思っています。

ーー配信中、視聴者を飽きさせないために「最初の数秒」や「構成」で必ず意識している鉄則ルールはありますか?
他のビジネス戦略と違って、ライブ配信はコミュニケーションや交流が“生き物”なんです。
決まったルールでは通用しません。
同時接続が1万人、5万人になるとコメントを拾いきれないこともありますが、1000人、2000人くらいだと、ある程度コメントを拾いながら、みんなで作り上げていくことができます。
最初の5分はこれ、10分はこれ、というように固定するのではなく、ライブルームの雰囲気に合わせて、リアルとオンラインの両方で息を合わせるような感覚で、居心地のいいライブの時間を届けつつ、楽しいワクワクのショッピング体験を提供する、というイメージですね。
〈インタビュー〉京極 琉(後編)|ライブコマーサーに向いている人とは? TikTok Shop日本一が明かす「成功の条件」と3年後上場の野望
〈京極 琉 各種SNS〉
Instagram:https://www.instagram.com/ryuhairartist/
TikTok:https://www.tiktok.com/@ryukyogoku
YouTube:https://www.youtube.com/channel/UCGPikg9zMu8lyZgZhNk2mnA
〈企業情報〉
株式会社Kyogoku公式HP:https://kyogokupro.com/
ライブコマーサー事務所「Live Commerce Japan」:https://livecommercejapan.jp/
〈ライブタイムズ編集部〉