
ユニット解散、夢を諦めて地元へと帰った一人のミュージシャンが、ライブ配信との出会いを通じて再び「歌で生きていく」道を歩んでいる。
身長193cmの長身と愛犬のゴールデンレトリーバーと共に配信する、ColorSingの人気Lシンガー・トキトシウ。アーティスト活動15年、2023年8月から配信活動を始めた彼が、同年12月に選んだのは歌に特化した配信アプリColorSingでの活動だった。
「歌で生きていく」というキャッチフレーズに惹かれ、配信一本での生活を決意。半年で安定した収入を得られるようになり、共同経営していたカラオケバーを閉めて配信に専念した。
挫折を乗り越えて掴んだ新たなステージで、「配信が生きる世界を大きく変えてくれた」と語る彼。リスナーとの絆を何より大切にし、楽曲制作にも取り組みながら、インターネットの世界でバズることを目指す彼の想いに迫る。
Q1. 初めに自己紹介を含め、簡単な経歴やライブ配信活動、アーティスト活動についてそれぞれ教えていただきたいです。
トキトシウです。身長193cmあり、愛犬のゴールデンレトリーバーと一緒に配信しています!
アーティスト活動は、高校生の時から始めました。上京してライブや路上ライブを行い、3人組ユニットを組んで活動していましたが、解散することになり、夢を諦めて地元へ戻りました。
その後は就職し、3社ほど転々とした経験もあります。「焼肉屋を出したい」という夢を持って店舗を探していましたが、なかなか物件が見つからず、知り合いと一緒に「それならBarをやろう」という流れで共同経営を始めました。
そんな中で出会ったのがライブ配信です。2023年8月7日からPocochaで配信を始め、同年12月10日にColorSingに移籍しました。移籍から半年ほどで「これなら生活できる」と感じられるようになったため、共同経営していたカラオケBarを辞め、現在はライブ配信一本で活動しています。
配信に専念する決断をしたのは、収益が安定してきたことに加え、「昔アーティストをやっていた自分として、従来の歌手の道は厳しいかもしれないが、ライブ配信や動画投稿を通じてネットの世界でバズを狙える可能性がある」という新たな夢を抱いたからです。
実績としては、東京ドームシティの外野ステージでの歌唱経験があり、ColorSingの配信イベントでは「パール杯」で1位、「プラチナ賞」を2回獲得しています。
Q2. ライバーを始めたきっかけ、アーティストを始めたきっかけをそれぞれ教えてください
2年前の8月7日、友達からの紹介をきっかけにPocochaでライブ配信を始めました。
当時はアーティスト仲間も配信をしていて、「自分もやってみようかな」という気持ちでスタートしました(笑)。
ーー始める前に感じた不安や期待はありましたか?
配信自体は「ダメならダメでやめればいいし、別に生きていけるし」みたいな感覚で、不安はなかったですね(笑)。夢も最初は特になくて、「ライブ配信で副収入を得られればいいな」くらいのノリで始めたので、不安はほぼなかったかなって感じがします。
アーティストとしての始まりは高校生のときです。友達が路上ライブをしていて、その姿に感化されて部活を辞め、ギターを練習しまくりました。そして「自分も路上ライブをやりたい!」と思い、岩手からわざわざ仙台の泉中央駅へ行き、仙台の友達と一緒に路上ライブをしたのが最初ですね。
Q3. これまでに他配信アプリの経験がある場合、ColorSingと他アプリとの違いを教えてください!
ColorSingは基本的に歌枠なので、リスナー層が“歌好き”に特化しているというか、みんな本当に歌が好きなんです。
Pocochaだと「いらっしゃいませ、歌に興味ありますか?」みたいに、ジャンルや目的が幅広いんですけど、ColorSingは歌好きの人が集まっている。だから、歌が好きかどうかをわざわざ聞かなくてもいい。その分のハードルが最初から取れているのは大きいですね。
それにレパートリーも枠に入る前に見られるので、リスナーが自分の好きそうな曲を探してから来られます。入ってみて「ハマるか、ハマらないか」の二択なので、選択肢が少なくなる分、自分に合う人と出会える確率は他のアプリよりかなり高いと思います。
まだできたばかりのアプリなので、リスナーの数は他のアプリと比べると少ないですが、その分、本当に歌が好きで質の高い人たちが集まっているという印象です。基本的に趣味の人と、ガチ系の人で分かれている感じで、ガチ系が好きな人はガチ系にハマるし、ワイワイ楽しみたい人は趣味の方に行く、みたいな。そのように棲み分けができているので、今のところはとてもやりやすい環境だと感じています。
Q4. ColorSingを始めたきっかけを教えてください!
ColorSingのホームページをたまたま見たのがきっかけですね。2023年の11月頃に、一旦Pocochaをやめようかな、と考えていました。というのも、Pocochaでは毎日4時間配信して、メーターに追われる生活でした。Barもやりながらだったので、睡眠時間は毎日2、3時間。メーターを作るのに8時間かかる日もざらで、正直かなりしんどかったんです(笑)。
そんな時に、たまたまColorSingのホームページを見つけて、「歌で生きていく」というキャッチフレーズに惹かれました。当時Pocochaでも歌枠でやっていたので、「こういう環境でやれたらいいな」という、ちょっとした希望の光というか、小さな炎みたいなものが灯ったんです。
「まだできたばかりのアプリだし、最後にColorSingにかけてみよう」と思いました。リスナー目線で見た時に「ここならいけるかも」と感じましたし、ライバーの質を見た時にも「ここなら刺さる」「自分の歌で通用する」と思えた。それがColorSingを始めたきっかけですね。
正直、始めた当初は「これでダメならやめよう」と思ってました。半年ぐらいやってもPocochaと同じレベルで終わってたら、そのまま引退してたかもしれません…。
ーー移籍について不安はありませんでしたか?
PocochaではB2帯まで行きましたが、そこで1か月ほど配信を休んでいました。
その後、ColorSingで配信を始める際には、3人の方がついてくれたので、移動の不安は特にありませんでした。
働きながらPocochaをやっていたときは、本当に寝る時間もなく、このまま続けられないだろうと思っていたので、ColorSingへの移行は自然な流れでした。何より、「歌で生きていく」というキャッチフレーズに惹かれていた気持ちが強く、アプリ自体がまだ半年程度のタイミングだったので、早く上に駆け上がれば、アプリの成長とともに自分も伸びるだろうという期待感の方が大きかったです。
その翌年の4月までは、共同経営でカラオケバーも運営していました。
Q5. 実際にColorSingで活動してみて感じる魅力を教えてください!
歌が得意であれば、努力次第でなんとかなる環境が整っているのはすごくいいところだと思います!まず大きいのは、歌える楽曲の数が他のアプリとは段違いで、これはかなり大きな魅力ですね。そして、やっぱりリスナーに“歌好き”が多いというのも強みです。
Pocochaは「推しを決めたらそこだけ」というスタイルが多いんですけど、ColorSingはふわふわしてて、いろんな枠を見に行く人が多いんですよ。月に10万、20万課金する人でも、ある配信者にドンとではなく、5万ずつ、3万ずつといった形で分けるイメージです。だから単推しを作るのは難しいですけど、その分、いろんなリスナーさんに出会えるチャンスは多いですね。
始めたばかりの人にとってもチャンスは十分にあります。長くやっている人はすでに知られている分、逆に自分が獲得したリスナーを離さないことが大事になってきます。
さらに、楽曲提供やリリースができる環境があるのも特徴的で、リアルの活動につながりやすいイベント特典も用意されている。だから「ネットで名を広めたい」「リアルなライブにつなげたい」というガチ勢にとっても、とても向いているアプリだと思います。
報酬面で一番助かるなと思うのは、やっぱり「継続ダイヤ」ですね。自分なりに研究した結果、還元率は全体的にPocochaよりも高い印象があります。継続ダイヤ込みで考えると、かなり助かっています。
特にありがたいのは、配信がどうしてもつけられない月や、忙しい時期に半年後ぐらいに入る継続ダイヤです。これがあると10万円以上になって、それだけでも本当に支えになります。普通に配信していれば20万円は超えてくる感覚なので、モチベーションが下がったり忙しかったりしても収入が安定しやすいんです。TikTokとかだと「今月は0」みたいなこともありますけど、ColorSingはそういうのがない。生活の安定につながるのは大きな魅力ですね。
リスナーについては、Pocochaの時から来てくれたのは3人だけです。ただ、自分の枠のリスナーさんたちはもともとPococha慣れしていたので、ColorSingにも順応しやすかったようです。運よく、自分が伸びていく姿を見せることができたので、「こっちに来てよかったね」と言ってもらえる反応になっていました。
Q6.ColorSing一本で生活できると確信したポイントや転機はありましたか?
ポイントとしては、節約すれば生きていける程度の収入を得られたことがまず大きかったです。
しかし、決め手になったのは、そこで「自分の夢に変わった」というか、「目標に変わった」という点ですね。これが最も大きな理由だと思います。
基本的には、Pocochaでいくら流行っても、「歌でなんとかしよう」という意識は持たなかったと思います。もしPocochaで人気が出ていたら、Pocochaで有名になることが目標になっていたのかもしれません。
アプリを始めたばかりの頃は、かなり目立つことができました。
今だと、10分の配信で1位を取ったり、1時間で1位を取るには相当なアイテムが必要ですが、当時は1000コインくらいで上位に乗れたり、安い時は300コインで十分だったんです。それをリスナーと一緒に上位に上げる作業を、延々と続けられたことで、どんどん人が入ってきました。リスナーの数自体は少なかったものの、目立っていたので、新しい人が自然に入ってくる――そんな流れを作ることができました。
Q7.今後ColorSingに期待していることはありますか?
ColorSingからも有名になれる人が出てほしいっていうのが1番期待しているところです。
「歌アプリといえばColorSing」「歌枠やるならColorSing」というのが日本の常識になるような、そういう存在になってほしいなと思っています。
リスナーは何かきっかけがあれば増えると思います。誰々がやっているとか、売れた人がやっていたアプリだとか、そういう夢に繋がるような結果が出れば自然と広がっていくはずです。
今は実際に、世に出るための道筋を示してくれていると感じています。たとえばフェスに出られる特権イベントがあることなど。そのような取り組みは、ぜひ継続してやってほしいなと思っています。
現在、趣味で楽しみたいライバーとプロを目指すガチなライバーが分かれている状況で、新規ユーザーの中には「思っていたイメージと少し違った」という声を聞くこともあります。「気軽に楽しむカラオケアプリ」というイメージを持つ方もいらっしゃるようですね。
今後、それぞれの目的に合わせた棲み分けがより明確になれば、プロを目指したい人はきちんと目指せる環境があり、趣味で楽しみたい人にはそれに適した環境がある、そんなアプリになればより素晴らしいのかなと、個人的には思っています。
Q8.”ライバー×アーティスト”、Lシンガーとして活躍し続けるために大事にしていることや努力していることはありますか?
基本的には「リスナーとの絆」や「チーム感」を一番大切にしています。
大きなギフトをくれるリスナーが現れても、その人に枠を支配されないよう注意しています。そういう人の言いなりになると、他のリスナーが居づらくなって離れてしまうんです。僕自身もそうした経験があるので、一時的な収入に踊らされず、枠全体のバランスを保つことを意識しています。
自分を好きでいてくれる人が、誰かのせいで居づらくなって離れてしまう環境は作りたくないですね。
あとは「頑張っている姿を見せること」が大切だと思います。リスナーに自分の頑張りや楽しさを共有して、「一緒に頑張ろう」という気持ちを持ってもらうことが、成功する秘訣かなと思います。
ーー頑張ってる姿を見せるために、工夫していることはありますか?
目標を設定することも大切にしています。
僕の目標は、インターネットでバズって生活していくことなので、同時進行で動画投稿も行っています。現時点ではそちらからの収入はありませんが、今後は収入につながるようにしていきたいと考えています。
日々の活動を形として見せることは、とても大事だと思っています。
ーーご自身も路上ライブやリアルな場で活動されていて、同じような境遇の人がライブ配信を始める際に注意することはありますか?
最初は、とにかく量をこなすしかありません。ファンがまだついていない人は、配信時間を長く取って、まずは人を増やすことから始めるべきです。
僕が特に意識しているのは「投げ合いにならないようにすること」です。現在は完全にリスナー活動をやめましたが、リスナーとして活動していた頃に他の枠から来てくれた人たちは、リスナー活動をやめた後にはほとんど残っていません。今残っているのは、自分の枠で出会った人だけです。
リスナー活動を完全にやめた方がいいとは言いませんし、少しはリスナー活動をした方がいいと思います。
僕のように極端にやりすぎると人は離れてしまいますので(笑)。
過度な投げ合いになると厳しい面もあるので、バランスが大切だと思います
Q9.ライブ配信活動・アーティスト活動それぞれの目標や夢を教えてください。
僕の目標は、インターネットの世界で有名になり、インターネットの世界で生活をしていくことです。芸能の仕事に絡むことがあれば、もちろん挑戦したいと思っています。
アーティストとしての目標は、インターネット上で活動しながら、配信も行い、歌も発表している――そんな存在になれればと思っています。
Q10.ColorSingはどういった方におすすめだと思いますか?
ColorSingでは、顔出し・顔出しなしに有利不利はほとんどありません。
最初は「顔出しした方が有利なのかな」と思っていましたが、実際には顔出ししなくても上位に行く人は行きますし、逆に顔出ししていても伸びない場合もあります。
そのため、過去に歌で諦めた人や、年齢的に挑戦が難しいと思っていた人でも、声だけで勝負できる環境があります。
他のアプリよりもリスナーがつきやすく、巡回してくれる人が多いため、くすぶっている人や、アーティスト活動と配信を並行してやりたい人にも向いているのかなとは思いますね。
ーーその人たちに向けて、ColorSingの魅力やその人たちの背中を一言でちょっと押すとすると、どういった言葉で伝えれますか?
ColorSingは、努力次第で十分に伸びるアプリです。頑張れば楽勝だと思いますし、頑張りの量と成果はほぼ比例します。諦める必要はない、ということを伝えたいですね。
ーーその努力とは?
努力の本質は、やはり配信時間にあります。いかに長く配信をつけられるか、そしていかにパフォーマンスを維持できるか――その積み重ねが大事だと思います。
Q11.配信にかける想い、原動力を伺いたいです。
配信自体は、僕の生きる世界を大きく変えてくれました。特にColorSingでは、配信を始めてまだ2年ですが、自分が昔夢見ていた「歌で食べていきたい」というアーティストとしての夢に近い経験を、再び追いかけさせてもらっています。配信には、人生を変えてくれたという思いがあります。
その夢に共感して乗っかってくれるリスナーのためにも、僕が辞めるという選択肢はもうありません。これからもずっと続けていき、いつかリスナーが僕を応援することで、リスナーが収入を得られる。
みたいな仕組みを作れたら面白いなとも考えています。
もちろん大きなことは無理かもしれませんが、リスナーと一緒に作り上げていきたいです。配信は1人では成り立たないので、そういう関係性こそが僕の原動力になっています。
Q12.普段応援してくれるファンやリスナーさんはどんな存在ですか?
リスナーは、僕にとって家族のような存在になっています。リスナー自身も、僕もそう感じています。みんなそれぞれ個性豊かで、特徴があり、かけがえのない存在です。リスナー同士も仲が良く、お互いに信頼し合っている、そんな関係性が築けています。
配信は1人では成立しません。中にはたくさん投げるリスナーもいれば、そうでない人もいますが、僕が目指すのは特定の人だけに依存する形ではなく、みんなで作る配信です。リスナー全員が、それぞれの形で支えてくれることを大切にしています。
僕にとって、このリスナーたちは人生においても実の家族と同じくらい大切な存在です。
ーー好きなところは?
僕がリスナーの好きなところは、例えば8月7日の配信2周年記念のときに、リスナーのみんなが企画をしてお祝いしてくれたことですね。「配信をリスナーがジャックしようぜ!」みたいな感じで、全力でお祝いしてくれたんです。
さらに、僕のモチベーションが下がったり、道に迷いそうなときも、否定せず常に励ましてくれる。いつも変わらず支えてくれるところが、本当に大切だなと思っています。そういうところが好きな理由です。
Q13.素顔に迫る7つの質問
ーー好きなアーティストや音楽のルーツになったアーティストは?
唄人羽さんという人で、たまたま高校の時に友達が路上ライブをしていて、「この曲教えて」と聞いて弾いたのがきっかけです。好きなアーティストは、サザンオールスターズや森山直太朗さんです。
昔はずっとコブクロが好きでした。
ーー大きな舞台に立つ前のルーティーンは?
歯磨きですね(笑)。口が喋りにくくなるし、歌いにくくなるんですよ。
舌が詰まるというか、滑舌がすごく悪くなっちゃう感じですね。
ーーカラオケでは何を歌いますか?
今はサザンオールスターズや森山直太朗さんが多いですね。
ーー休日やプライベートは何をして過ごすことが多いですか?
美味しいご飯を食べて、美味しいお酒をのみます(笑)。
ーー最近ハマっていることや趣味、マイブームは?
シャドーバースのゲームを楽しむことと、愛犬と遊ぶことです。
ーー心の支えになっている言葉や座右の銘は?
リスナーから言われた言葉で、「僕が楽しむことがみんなの楽しさにつながる」という言葉です。
ーーご自身のアーティストとしての武器、特徴はどのような点ですか?
歌がうまいかどうかは自分でもよくわかりませんが(笑)、声質には自信があります。特徴としては、聴かせる力や感動を伝える力が強い歌い手だと思っています。
Q14.読者にメッセージをお願いします!
いつも会いに来てくれてありがとう。
最近は配信の時間があまり取れず、少し抑えめになってしまっていましたが、これからも配信をやめるつもりはありません。みんなのことを大切に思っていますし、いなくなった人も含めて、気が向いたらぜひまた会いに来てね。
僕を知らない方にもぜひ一度見に来てほしいです。リスナーひとりひとりと全力で向き合っているつもりです。
配信時間は基本的に昼の3時と夜の10時から1時までで、TikTokをはさむかどうかは今少し迷っています。
現在、自分で楽曲制作も行っており、ある程度曲が完成したら、外での活動も視野に入れています。例えば、車でスーパー銭湯を巡りながら自分で機材を持ち込んで歌う、といったことも考えています。
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〈ライブタイムズ編集部〉