
国内最大級のライブ配信アプリ「Pococha」が、この夏初めて開催した『Pococha甲子園 2025』。7月21日、北海道で行われた全国大会決勝で、プロのサックス奏者としても活動する人気ライバー「ななえタン」が、見事4位入賞を果たした。
彼女にとってこのイベントは、単なる順位以上の、特別な意味を持っていた。
「結果はもちろん、それ以上に“中身”も大切」。そう語る彼女は、このイベントを通じて、ファミリーとの団結を深め、次へと繋がる大きな一歩を踏み出した。
“生きている”と実感した激闘の先に、「12ヶ月連続TOP10入り」への目標がより一層強くなった。
Pococha甲子園という大舞台を経て、彼女が見据える“今”と“これから”を紐解いていく。
改めて簡単な経歴やライブ配信活動、その他の活動についてそれぞれ教えてください!
「開運なんでも鑑定団」のエンディングテーマをきっかけに全国デビューをした、SAXプレイヤーのななえです。
現在はライブサポートの活動(演奏のお仕事)の他に、配信者としてはPocochaとYouTubeでも活動をしています。
Q1.Pococha甲子園に向けて、どんな作戦や計画を立てて配信に臨みましたか?
今回のイベントは、事前に作戦を立てて臨んだというよりも、実際に参加しながらルールを理解していく、そんなスタイルでした。
私にとっては“初の超ロング配信”という挑戦でもあって、たくさんのリスナーさんに無料アイテムで支えていただいた――そんな感覚でした。
普段は、Pocochaでの演奏配信は3時間程度。月間でも演奏配信の際は必要なスタミナが十分に保てる65時間に抑えているのですが、今回は勝敗の鍵を握る無料アイテム集めに10時間以上の配信を1週間続けるような、本当にハードな内容のイベントで、お風呂もゆっくり入れないし、ご飯を食べる時間もまともに取れない、配信時間外も枠周りしたりするような毎日で…。正直とても大変でした。
Q2.イベントを通じて得た体験、イベント当日の感情や、入賞者発表の瞬間の気持ちを教えてください!
イベント期間中は、常に興奮状態が続いていました。
眠りづらかったり、感謝の感情だけでなく、焦り、不安、悔しさ、そして怖さ――いろんな感情が入り混じって、どれも今まで経験したことがないほど強烈に感じていましたね。
正直、結果発表の瞬間は「3位以上を目指していたからこそ、4位か…」と思いました。
でも、不思議とこれまでのような悔しさはあまり感じなくて。それよりも「無事にやり切れて本当によかった」「やっと終わった…」という達成感の方が大きくて、張り詰めていた身体の力がすっと抜けていくような感覚をリアルに感じました。
イベントが終わって数時間後、改めて思ったのは「感情の究極」と呼べるような体験を味わえたということ。そして私にとって特別な体験だったということです。 “生きている”という実感を持てた、貴重な瞬間だったと思います。
イベントはもちろん結果も大切ですが、それ以上に“中身”も大切。終わったあとも配信は続いていくし、今回ファミリーとの団結を深められたこと、そして次に繋がる一歩を踏み出せたこと――そうしたすべてを含めて、私はこの結果に満足しています。
ーーイベント当日はいかがでしたか?
イベント当日は、緊張やプレッシャーから本当に倒れてしまいそうなくらい体調が不安定になってしまって。配信を見ながら心配してくださった方も多かったと思いますが、あのときは座っているのがやっとの状態でした。
配信開始直後の30分間は、正直パニック状態でした。
応援バーストでは、無料アイテムがしっかり集まらないと、有料アイテムの効果が最大限発揮されないルールがあるので、「もし集まらなかったら…」という不安と、申し訳なさと不甲斐なさで、気持ちがどんどん押しつぶされそうになって。「どうしよう、どうしよう」という恐怖ばかりが募っていきました。
その日は1,000人近くの視聴者が来ていて、見たことのない方々もたくさん枠に入ってくれました。ナイトの就任エフェクトなどで画面もまともに見えなくて、何が起きているのかわからないような状況も合わさって前半はパニックの中で涙が止まらなくなってしまったんです。でも、徐々に無料アイテムが集まりはじめて、「あ、みんなと団結できてる」と実感できたとき、ようやく気持ちが落ち着いてきました。
今までリアタイボーナスやイベラスのボーナスを、無料アイテムが集まらずに落としてしまうことが続いていた分、今回はしっかりと“結果がついてきた”ことが本当に嬉しくて。最後の30分は、ようやくいつもの自分に戻るように、落ち着いて配信することができました。
Q3.今後のPocochaでの活動や、ライバーとして次に目指したい目標があれば教えてください。
Pocochaでの配信は、今年の10月末で丸5年を迎えます。
これまで、イベントの際にマンスリーランキングで時々トップ10やトップ20に入ることはあったものの、安定してトップ10~20入りできるようになったのは、昨年の11月頃からなんです。
だからこそ、今の目標は “12ヶ月連続で安定してトップ10に入り続けること”。
まずはその目標を達成して、その上で、今回のようなガチイベントにも挑戦できるような“強いライバー”へと成長していきたいと思っています。
そして、支えてくれるファミリーも一緒に、“強いファミリー”としてさらに団結していけたら嬉しいです。
イベントに関しては、配信の枠を超えて、外の世界――つまりメディアなど、より多くの人に知ってもらえるようなチャンスに繋がるイベントには、これからも挑戦していきたいと考えています。2022年からライバー事務所を運営しているのですが、もっと多くの人に“配信をしてみたい”と思ってもらえるような、外にも知ってもらえるようなイベント、夢を持てるようなイベントに参加して見せていきたいです。
Q4.いつも配信を応援してくれるリスナーさんやファミリーはどんな存在ですか?
ある意味、家族や友達よりも一緒に過ごす時間が長いのが、配信で出会った“ファミリー”たち。私にとっては、まるで“血の繋がっていない家族”や、“いつも一緒にいるクラスメイト”のような存在です。
うちのファミリーの特徴は、とにかくみんな優しくて穏やか。わいわい賑やかなコメント欄というよりは、落ち着いた空気感の中で、見守ってくれるようなスタイルが多くて。コメントのスピードもゆったりしていて、その雰囲気が私にとってはすごく安心できるんです。
過去には、配信以外のことで落ち込んでしまって、数日間お休みしたこともありました。
そんな時でも、配信をつけるとファミリーの皆さんの存在にホッとして、自然と元気をもらえて、気がつけば“いつも通りの私”に戻れている。そういう経験を何度もしてきたからこそ、「今の私があるのは、ファミリーがいてくれるからこそ」そう、思えるんです。
それくらい、皆さんの存在は私にとってかけがえのない“幸せ”なんです。
長時間の配信に挑戦する中で、ずっと枠にいてくれたリスナーさんもいれば、それぞれの私生活の合間で、出張中の方や夜勤の方が休憩中に無理やり時間を作って来てくれた方もいました。すごく嬉しかったです。
Q5.イベント期間中、一番印象に残っているリスナーさんとのエピソードはありますか?
イベントの前日と最終日は、精神的なプレッシャーが本当に大きくて、コンディションを崩してしまい、不安で泣いてしまうほどで…。普段は配信の雰囲気が“重く”なりすぎないように、枠を作っていますが、その時は心の余裕もなくなってしまって。そんな中、 普段あまりコメントをしない、シャイで口下手なファミリーの皆さんが、「絶対優勝だよ」って、静かにでも力強く、画面の向こうから気持ちを届けてくれたんです。うちの枠って、“エルおめ”くらいしか普段コメントしないような人も多いんです(笑)。
でも、一生懸命伝えようとしてくれたんだなっていう気持ちがその一言に詰まってたので、すごく響きましたし、嬉しかったです。
Q6.ライバーを始めたきっかけ、配信を始めた当初のこと、現在のライバーとしての活動について教えてください。
コロナの影響で演奏の場が一気になくなってしまったことをきっかけに始めました。
それまでは、全国を回って“流し”のような形で、居酒屋に飛び込んで「CD買ってください!」とお願いしたり、地方で出会った人に紹介してもらって、ライブハウスの前座に出演させてもらったり。でも、そういった活動は、ものすごくお金も時間も労力もかかるんですよね。
Pocochaでは家で演奏して、全国のたくさんの人がリアルタイムで聴いてくれる。1日目の配信で獲得したダイヤは、30円。でも、すごく感動したんです。
“演奏を聴いてもらう”という場に立つためには、お金がかかるのが当たり前だと思っていました。
もちろん、仕事としてお金をいただける演奏の機会もありましたが、自分の名前を売っていくためのライブとなると、こちらからお金を払うことも多くて…。当時所属していた事務所に協力してもらったり、自分でも費用を工面したりしながら活動していたんです。
だからこそ、自分で発信して、自分の音楽を聴いてもらえて、さらにお金までいただけるというライブ配信の仕組みには、驚きました。
最初のころはリスナーさんが1人しかいない日もありましたが、それでも聴いてくれている人がいる。それだけで十分、1人のフォロワーさんが増えるだけでも、「ちゃんと前に進めている」と実感できて、ものすごく安心感がありました。
ーー現在のライバーとしての活動について教えてください。
今年の4月から、YouTubeにも力を入れ始めました。
そして4月の末にはYouTubeの再生回数や視聴者数などをまとめた「 PLAYBOARD」というサイトのランキングで日本1位を獲得することができたんですね。1回の配信で2〜3万人もの視聴者が訪れてくれて、「こんなにたくさんの人に見てもらえるんだ」と驚きました。そこから、YouTubeをきっかけにPocochaにも来てくださる方が増えました。YouTubeで見つけてもらい、Pocochaでファミリーになって、より深いコミュニケーションを取る形ができています。
この流れがとても自分に合っていて、5年前には叶わなかった大きな会場でのリアルライブにも、今なら挑戦できそうな気がしています。
これからも新たなステージに挑戦していきたいと思っています。
Q7.今回Pococha甲子園にエントリーしたきっかけ、またエントリーに際して「地元」や「ゆかりのある地域」などは意識されましたか?エントリーした地域への思いが何かあれば教えてください。
実は、予選期間中に少し被っていた東海ウォーカーのイベントのほうをより真剣に取り組みたくて、当初は予選はそこまで重要じゃないと考えていました。
ところが告知が始まると、プライズがしっかりと用意されていて、「これは真剣にやるべきだ」と気づきました。気づくのが遅れてしまったので、なるべく人数が少なく、ゆかりのある地域で出場しようと考え、中国・四国エリアを選びました。私は東京出身で、父も東京出身、母は沖縄出身ですが、山口県に長く住んでいた時期があり、何度か訪れたこともあったので、その縁もあって選びました。また、予選で燃え尽きてしまわないようにという思いもあり、総合的に考えた結果、今回は中国・四国エリアでエントリーしました。
このイベントを通して山口県に強い想いができたので、遊びに行きます!!
Q8. Pococha甲子園を通して、同じ地域のライバーさんなど、他のライバーさんとの交流はありましたか?またその方たちへのメッセージがあればお願いします。
イベント期間中は他のライバーさんからたくさん無料アイテムの協力をいただきました。
普段は事務所外の雑談系ライバーさんとの交流はあまりないのですが、今回のイベントを通じて、音楽配信以外のライバーさんたちがどのように枠を作っているのかを肌で感じることができ、とても勉強になりました。
日に日に枠を超えた団結を実感し、協力してくださった皆さんには心から感謝しています。
一緒に戦ったライバーさんに向けては、本当に決勝戦はレベルが高く、皆イベントに真剣だったが故に身体に堪えていたのも同じだったんだと安心しました。お風呂に入れなかった人もいたし、無料アイテム集めがきつかったという声も多かったです。当日は、何も言わなくても伝わるような“同志”的な空気があったし、改めて皆さんのコミュニケーション能力の高さ、人間としての魅力や能力のレベルの違いを感じました。
イベント終了後はみんな抜け殻のような状態でしたが、誰も悔しがる様子はなく、「やりきった」という表情をしていたのが印象的でしたね。
会場を出てからは、仲の良いライバーさんと少し飲みに行く機会もあり、リアルイベントならではの交流になりましたね。
Q9. POCO LAND 2025に向けて、今から意識していることがもしあれば教えてください!
去年のPOCO LANDでは、結果は4位で3位の方との差もわずかだったため、とても悔しく落ち込んでいました。
今回は結果的には同じでも、その時に比べて確実に枠が強くなった実感があります。このまま既存のファミリーたちとの絆を深めて、さらに新しい人たちにも応援してもらえるよう頑張りたいですね。
特に演奏とパフォーマンスの向上には力を入れて、それに伴ってファミリーもさらに強くしていきたいと思っています。そうやって強くなった状態でPOCO LAND 2025に挑みたいなと思ってます。
〈ライブタイムズ編集部〉
1件のコメント
エンタメのと言う不確実性な世界に身を置き成功を目指す、世間のイメージとは違い本当にしっかりした子ですね。この娘さんはは本当にいい子だと思います、ルックスも素晴らしい
素敵なリスナーさんにも恵まれて幸せだと思う
益々の精進と成功をお祈り申し上げます