
意外な理由で「BIGO LIVE」を始め、国内最大級のライブ配信アプリ「Pococha」へ挑戦。
するとマンスリー(月間)ランキングTOP10を9ヶ月連続でキープ。いまや「TikTok LIVE」で月間45M(4,500万ダイヤ)を叩き出すトップライバーへと駆け上がったゆきか。
「他人と比べず、昨日の自分を超える」「口にした目標は必ず叶える」。そんな“自分との約束”を積み重ねた彼女の視界には、いま「TikTok」の頂がはっきり映っている。
吹っ切れた瞬間にしか前へ進めない――その信念の裏に潜む挫折の数々、月300時間で変わった景色、そして激戦区「TikTokLIVE」で見出した独自の勝ち筋。
前編では、「TikTok LIVE」で結果を出すためのヒントを織り交ぜながら、その舞台裏を余すところなく語り尽くす。
大きな壁にぶつかりながらも”成功のメンタリティ”を掴み取った彼女のリアルは必見だ。
Q1.ライバーを始めたきっかけは?
ライバーを始めたのは、2022年ごろです。当時は大学生で、何もすることがなかったと言う理由と、精神的に落ち込む日々が続いていた頃だったので、「誰かに見てもらえれば気が紛れるかもしれない」という思いからライブ配信を始めました。
最初は“稼ぐため”という意識はほとんどなく、むしろ“生きるため”に配信を始めました。それが配信を始めて1カ月で成果が出て、収入を得られるようになり、気付けばすべてがとんとん拍子で進んでいった、そんな印象です。
ーーBIGOLIVEでデビューした後は?
「BIGO LIVE」でイベントに出場しトップ層まで上がったとき、トップ配信者たちは別々のイベントに参加するんです。トップ層が別々のイベントに参加すると、その人たちが必ず 1 位を取りますよね。すると「自分は2位でいい」「3位でいい」という中堅ライバーが出てきて、私自身も 1位側にいたものの、だんだん楽しくなくなってしまいました。
そこで「Pococha」か「TikTok」に移ろうと考えました。「Pococha」は『きつい』と聞いたことがあったので、「どんなものかな」とリス活(リスナー活動)をしてみたところ、思いのほか面白かったんです。まず 「Pococha」で活動し、何かを成し遂げてから「TikTok」に移っても遅くはないと判断しました。当時はまだ爆発的に伸びる前だったので。
最終的には「TikTok」を見据えつつ、まずは「Pococha」を選んだ、という流れです。
Q2.ライバーの魅力や楽しさ
ライブ配信の魅力は、関わる人の多さにあります。
芸能人や YouTuber もファンミーティングなどで交流はしていますが、ファンそれぞれがどんな人かまでは深く知らないことが多いですよね。けれどライブ配信では、視聴者のコメントがリアルタイムで流れ、その反応を常に見ているので、意識せずとも相手のことが自然にわかってきます。
5年も配信を続けていると、本当にさまざまなリスナーさんと出会います。リスナーは必ず入れ替わっていきますが、自分自身の成長や成績、スコアは伸ばし続けなければならない。そのジレンマこそが面白いんです。
ーーライバーを始めて特に良かったことは?
ライブ配信を始めてからは自己肯定感が上がりました。もちろん落ち込むことはありますが、立ち直り方を覚えました。配信で気持ちが沈み、3日〜5日ほど休むことがあっても、必ず戻ってこられる。何年も続けてきたからこそ、「こうすればいい」という感覚が身についているのだと思います。
ーーやりがいは?
また、過去の自分のスコアを更新できた瞬間が何よりのやりがいです。私は基本的に他人と比べず、「昨年の自分はこうだったから、今年はこうなりたい」としか口にしません。そして、一度口にした目標は必ず現実にしてきました。そこに大きな達成感、やりがいを感じています。
Q3.逆にライバーの難しさ、辛い部分、挫折した経験
“伝える”ことですかね。
「自分はこう思っている」「どんな気持ちで配信をしている」そうした内面を言葉にして届けることが大事だと感じるんです。ところが〈伝える〉と〈伝わる〉は別問題で、どれほど熱意を込めて話しても、言語化が甘ければ受け手には届きません。そのギャップに直面したときは、正直かなり苦しいですね。
ーーその改善方法は?
伝わるまで言う(笑)。
“嫌われることを恐れず、相手に届くまで言い続ける”ことが大切だと思います。
ーー挫折した経験は?
昨年は多くのインフルエンサーがライブ配信に参入しました。私が「TikTok」へ移った直後、「BIGO LIVE」や「Pococha」時代から支えてくれていた “トップリスナー” さんが、ヒカルさんが参加した盾イベントに桁違いの額を投げていたんです。そのリスナーさんは「BIGO」→「Pococha」→「TikTok」と常に私のトップリスナーで、移行後2ヶ月⽬の「盾イベ」で私はダイヤモンドチームで参加したんです。けれどそのリスナーさんからは「ヒカルさんを応援するから、今回はごめんね」と告げられました。その時に”そりゃそうだよな”と思ったんです。
インフルエンサーとしての知名度、投げ甲斐、リターンの大きさを冷静に考えれば私よりヒカルさんを選ぶのは当然。それでも何ひとつ言い返せなかった自分に嫌気が差し、「TikTok」 で味わった最初の挫折になりました。
ーーそれをどう乗り越えましたか?
吹っ切れました。正直、そのリスナーさんに少なからず依存していました。あの人のおかげで勝ち取れたイベントもあり、お世話になった分だけ甘えていた自分がいたんです。
でも「もう気にしなくていい。あの人がいなくても私は強くなれる」と吹っ切れたのが、およそ4ヶ月後です。その瞬間、自分の中で大きな変化が起きました。
Q4.飛躍したきっかけやターニングポイントはあった?
「BIGO LIVE」時代は、正直あまり深く考えずに配信していても、何となく上手く回っていました。
ところが「Pococha」へ移った途端、月間ランキングという “明確な目標” があって、「いつか月間 1 位を獲りたい」と強く思うようになりました。月間TOP50前後を行き来していた頃、「TOP20に入りたい」と話をしてすぐ30分後、実際にTOP20に滑り込み、翌月にはTOP10入り。そこから9ヶ月間、TOP10をキープできました。
この時に初めて「目標は言葉にすると実現する」と思いました。
「ここへ行きたい」「こうしたい」と声に出すまでは叶わなかったことが、言った途端に現実になる。その経験で “もっと上へ” という思いが一気に強まり、悔しさを味わうたびに「絶対に上がってやる」と思うようになりました。
ただ「Pococha」にはアカウント制限やサブ垢を作れないといった制約があり、なかなか1位を獲れない。そこで考えを切り替えたんです。
「Pococha」で1位が無理でも、『TikTok』で同等の成果を出せばいい」と。そう吹っ切れて『TikTok』へ移行しました。
結局、私の “前へ進む瞬間” はいつも吹っ切れたタイミングです。
「もうどうでもいい」と思った時こそ、不思議と次のステージへ上がれるようです。
Q5.これまでにどんな挑戦や努力を積み重ね、「Pococha」、「TikTokLIVE」においてトップクラスの成績を納めるライバーになれたのでしょうか?これまでの道のりやエピソードについても、ぜひお聞かせください。
配信が好きなんです。「BIGO LIVE」を始めた頃は、まさに「配信に生かされている」という感覚で、配信しているからこそ生きていられる、そんな状態でした。
その後「 Pococha」 へ移動した頃にはメンタルが回復し、「配信が楽しい」というフェーズに。そして途中からは “もっと上を目指すこと” 自体が楽しくなり、「言えばできる、やればできる」と実感するようになりました。
「TikTok」へ来て一度挫折しかけたものの、ここは少し競技が違います。「BIGO」、「Pococha」、「17LIVE」などは投げ銭文化が中心で、トーク力よりも “人間力”、人柄とコミュニケーション能力があれば上に上がれる世界だと感じてきました。ところが「TikTok」はそうではありません。誰が聴いているかわからない場で、100人、200人を相手に路上ライブのように惹きつけるコミュニケーションが求められます。
今まではカフェで仲間内と話しているような雰囲気の中で、その輪の“人気者”という感覚でした。
それに気づかず自分が「まったく別のことをやっている」と自覚したのは、今年の1月です。この違いに気付いてから数字にも結果が伴い始めました。
以来、人を引きつける話し方や話題選び、切り抜きかれるワードを意識するようになりました。
大御所配信者の「4人コラボ」に呼ばれたときは、以前なら緊張で黙ってしまった場面を “大喜利のフリップ” と持たされたと思って、”一撃で笑いを取る”。まるでひな壇の芸人のような立ち回りを心掛けています。そうやって瞬時に「面白い」と思ってもらえれば次も呼ばれる。呼ばれる機会が増えれば切り抜きも増え、自分の枠へ流れてくる視聴者も増える。結局は「どう見せれば自分が一番面白いか」を考え続けること。そこに気付いてから、配信の手応えが確かに変わりました。
Q6.活躍し続けるために大事にしていることや努力していること
しんどいときは、勇気を持って休みます。私の場合、寝れば治るんですよ。だから病むことにも、けっこう飽きやすいタイプです。たとえばトップリスナーが離れたとなれば、誰でもズーンと落ち込みますよね。でも数日間ひたすら眠っていると、「あ、配信したいな」と思えてくる。飽きた頃には気持ちも明るくなっているので、とにかく飽きるまで寝るんです。
だいたい3日、長くても5日ほど。そんなときは思い切って休みます。面白くない私を見せてもリスナー離れに繋がるリスクのほうが高いですから。センチメンタル(ドラマ的な要素があったり、悔しくて泣くなど)な部分を共有するのとは別で、自分が病んでいる姿をそのままさらすのは表に立つ以上、違うかなと思っています。
ーーモチベーションが下がる時はありますか?
自分が面白くないなーと思う時ですね(笑)
リアルの予定はほぼなく、配信デスクに座るか寝るか、お風呂に入るかトイレに行くか。そんな生活を繰り返していると、面白くなくなります(笑)。
そんな時は、マツエクに行ったりネイルを替えたり、散歩に出たりして気分転換します。
リスナーからはよく「日光を浴びろ」「セロトニンが大事」と言われます。
Q7.ライブ配信 / ライバーとしての今後の目標は?
まずは “盾” がどうしても欲しいんです。ダイヤモンドの盾イベントで〈3位以内〉に入りたいです。
それから、昨年のオールスターは不参加の方も出るので21位までが入賞ラインで、私は22 位……あと一歩届きませんでした。しかも昨年の開催日は 12月18日で私の誕生日だったんですよ。結構きつかったですね…(笑)
なので、今年こそオールスターに入賞したいですね。
Q8.これからライバーを始める人にアドバイスするなら?
これからライバーを始める人は、最初は “楽しくない” ものだと覚悟してください。それでも〈楽しそうに見せる〉のは配信者の義務だと思っています。閲覧数が少ない状態で「楽しい!」と言い切るのは正直つらいけれど、そこで諦めるくらいなら最初から配信をやらないほうがいいと私は思います。
ーーもっと活躍したいライバーさんへのアドバイスもいただきたいです。
まずは月に300時間配信しましょう。1ヶ月だけで大丈夫。私は事務所のライバー全員に同じことを伝えています。
理由としては、先ほどお伝えした「TikTok」での挫折を乗り越え、昨年9月に「TikTok」を本気で頑張り始めたんですけど、10月は 310時間配信したんですね。8〜9月の月間ポイントは 5 M(500万ダイヤ)程度だったのに、10月は約34M(3,400万ダイヤ) と約7倍に跳ね上がり、その後も11月は20M超え、12 月以降も安定して 15M〜20Mを維持できるようになったんです。
振り返れば、10月に300時間以上やり切った経験がすごく大事だと感じました。尊敬するトップライバーさんの切り抜きを見ても「300時間やれば変わる」と言っていましたし、私もそう思います。
Q9.「タイムチケット」について教えてください!(魅力や好きなところは?)
自由な性格の私にはぴったりの事務所だと思います。多くの事務所が「このやり方で」「ノルマ」「チームリーディング」など協力体制という名の制約があるなか、タイムチケットは比較的自由度が高いと感じています。
頑張れば ゲーミングPCや高性能機材を用意してくれる点も魅力です。
Q10.人生において大事にしていることや考え方、流儀などがあれば教えてください。
自分で言うことじゃないんですけど、私って優しいんですよ(笑)。
ただ、その「優しい」というのが、良い意味でも悪い意味でも人に興味がないんですね。
たとえば誰かが落ち込んでいたり苦しんでいる様子には「何かしてあげたい」と思っちゃうんですけど、「あの人が伸びている」「うらやましい」といった場面にはほとんど興味がないんです。
つらそうな人には「何かしてあげたい」そう思って行動しますが、見返りを求める気持ちは全くありません。興味がないので。
誰かに親切にしていれば、最終的には必ず何かが自分に返ってくる。この世界は運も大事だと思うんですね。
配信をしていると「私って強運だな」と感じる瞬間が多いのですが、それも人に優しくしてるおかげだと思っています。
たとえば「投げ返しが来ない」とよく聞きますが、私は「その人に優しくしたのはあなたなんだから、返ってこなくても大丈夫。全然違うところで返ってくるから」と思っています。人生観として、そういう考え方なんです。
だから人には優しくするし、かといって干渉しすぎて自分がのめり込みすぎることもないです。適度な距離感を保ちながら人に優しくするべきだ、と私は思って生きています。
Q11.ライブ配信に限らず最終的な夢や目標があれば教えてください。
目の前の配信に全力を注いでいますが、やっぱり仲良くしてもらっているライバーさんたちと肩を並べられるくらいには頑張りたい。それが今、1番大きな目標です。
【独占インタビュー】ゆきか(後編)|成長した姿を見せることが”恩返し”
〈ライブタイムズ編集部〉