
2024年、月間ランキングで7カ月連続TOP5(うち3回は1位)を記録。17LIVEを代表する存在になった「さら sara サラ」さんは、三姉妹を育てる“ママライバー”でもあります。そして2025年にはTikTokLIVEでも活動を始め、2つのプラットフォームの最前線で活躍しています。
今回は、並大抵の努力では到達できないステージに立つ彼女の「成功の秘訣」や「信念」、そして「うまくいくまでやめない」というメンタリティに迫りました。
現役ライバーはもちろん、子育てと配信を両立させたいママライバーや、これから挑戦を考えているすべての方に読んでいただきたい内容です。
Q1.ライバーを始めたきっかけは?
もともとはブログを趣味でやっていて、生計を立てられるほどになったのですが、突然ブログが閉鎖され、活動が難しくなりました。
その時に、撮影会や被写体モデルの仕事をいただき、Instagramのフォロワーを増やしたいなと思って配信を始めたのが最初のきっかけです。
最初は17LIVE(イチナナ)ではなく、TikTokで配信を始めましたが、当時のTikTokは配信があまり発展していない時代でファンから「もっと配信に特化したアプリを使った方がいい」とアドバイスを受け、その場でイチナナをダウンロードして配信を始めました。
何の準備も知識もなく、深夜にすっぴんでお風呂上がりにバスタオルを巻いたまま配信を始めたのですが(笑)ありがたいことにすぐにリスナーさんが来てくれて。
「いいねって何?」「エールって何?」「 無料ギフトと有料ギフトの違いすらわかんない。」そんな状態でした(笑)
イチナナは認証をしないとお給料が発生しないシステムだったので、リスナーさんと一緒に手続きを進めながら配信活動を本格的にスタートしました。
変なスタートだったと思いますが行動力はあったと思います!
2021年1月から本格的に配信を始め、すぐに新人イベントの「進撃(新人ライバーの進撃)」に出て、次第にファンも増えていきました。
最初はお金を稼ごうとも、長く続けようとも思っていなかったので、ここまで続けていることに自分でも驚いています。
他のライバーさんとは始めた理由がちょっと違うかもしれないし、始め方もかなり独特だったと思います。
Q2.ライバーの魅力や楽しさ、ライバーを始めて良かったこと、やりがい
最初は事務所から勧誘されたこともあったんですが、その時は「私にはそんなやる気ないし…」と断っていたくらい、本気でのめり込むとは思っていませんでした。
最初の新人イベント「進撃」に参加して「やるからには本気でやろう」と、「この新人イベントだけは死ぬ気で頑張ろう」とそう思っていたら、毎日泣いて笑っての繰り返しで、「こんなに本気になったことは人生で初めてかもしれない!」と感じたんです。
当時は「この感情は一体何なんだろう?」と戸惑うほどでした。”大人の青春”みたいな。
学生時代だと何かに向き合って熱くなることはあると思いますが、大人になって本気になれることに出会うってすごく難しいと思うんです。私はそれを配信を通して経験できています。
リスナーさんと一緒に泣いて笑って、本当に青春を過ごしている感覚です。
リスナーさんと一緒に目標に向かって全力で取り組み、やりきる達成感がライブ配信の魅力かなと思いますね。
Q3.逆にライバーの難しさ、辛い部分、挫折した経験
正直、挫折という挫折はあまり経験していないんです。
なぜかというと、”成功するまでやめない”から。
今日がうまくいかない日だったとしても、その時点でやめてしまったら「うまくいかない日」で終わってしまうじゃないですか。
私はどんなに辛くても、うまくいくまで配信を切らないし、どうしても無理な日は落ち込むんじゃなくて次の日はもっと気合を入れて頑張るんです。
これをずっと繰り返し続けて、成功するまでやめないから、挫折っていう経験はない気がします。
苦しい時間を乗り越えた先には必ず嬉しいことが待っているっていう直感があるし、実際、続けていくことで報われた経験しかなかったんです。
諦めずに続けると最終的には、「やって良かった」と思えることばかりなんです。
辛い時もそれを含めて楽しんでいたように思います。
ーー考え方やメンタリティがプロフェッショナルですね。
そう言われることが多いです。本当に熱血系だって(笑)。
陸上部で長距離を走っていたんですけど、そこでもメンタルは強い方だったかもしれません。
私は昔からマイナスな経験をそのままマイナスで終わらせたくないと思っていて。
リスナーさんが離れることがあってもそれを悲しい出来事にしたくないんです。
リスナーさんが離れたライバーってしんどいって誰がみてもわかるじゃないですか。
もちろん、毎日楽しそうに配信することも大事なんですけど、そのしんどい瞬間を支える側って、 多分それはそれで、一緒に成長して枠を大きくして絆を深められる時だと思うんです。
だから、辛いことがあった時、それを「ただ辛い」と捉えるのではなく、「辛いからこそ、一緒に頑張ってくれる人に寄り添ってほしい」と伝えるチャンスだと思っています。
『今はしんどい時なんだ、でもだからこそ今頑張りたい!!!』そういう気持ちで頑張っていると気持ちに応えてくれる方が現れてくれることもあります。
ただ、それは今までずっと頑張っている姿を見せてきたからこそ、助けてもらえるんだと思います。
もし、普段からあまり頑張っていないのにいきなり助けを求めても、誰も助けようなんて思わないと思うんです。
常に努力を続けている姿を見てくれている人がいて、その人が「さらちゃんは大丈夫だろう」と思っていたとしても、いざしんどい状況になった時に「さらちゃん今しんどそう。助けてあげよう」と思ってくれるはずです。
私が頑張り続ける理由は、辛いことやしんどいことがあった時、それをただのマイナスで終わらせたくないからです。
努力し続けることで、必ずプラスに変えられると信じているから、諦めずに頑張り続けています。
ただ、私のやり方は根性論に近いところがあるので、全員に当てはまるとは思いません。
でも、一つ言えるのは、続けることが失敗しない秘訣だということ。
どんなにしんどくても、10年先もライブ配信してたら、その子は勝ちだと思います。
10年続けられるライバーはほんの一握りだから、それだけで特別な存在になれるんです。
ーーさらさんは、ライバーを10年続けますか?
みんなには「絶対続ける。」「棺桶に片足を突っ込むまでやめないよ!」って言ってます。
命尽きるその瞬間までやるよって。(笑)
ーー辛いと思う瞬間や乗り越え方は?
もちろん、リスナーさんが離れてしまうことや、しんどい時もありました。
これが正解とは思わないけど、新しいリスナーさんに見つけてもらうために、リスナー活動をする手段もありますが、私の中では、自分の配信枠を開き続けて配信で魅せることがポリシーです。
Q4.今年は特に活躍が数字に表れていると感じます。
飛躍したきっかけやターニングポイントはありましたか?
ターニングポイントは、昨年12月のクリスマスオフイベント(Christmas Party 2023)ですね。
その時、7年越しに1位を取ったライバーさんがいて、その姿を見て涙が止まらなくなりました。「私はこんなに感動を与えられる配信ができるのだろうか?」と自問自答しました。
そのライバーさんは1位をずっと獲りたいと言い続けて、7年越しにその夢を叶えた瞬間を見て、「いつか自分も1位を取って、あの場所に立てるのかな?」と考えたんです。
すると、1位になりたいと言ったことがなかったことに気づきました。
私は、リスナーさんに無理は絶対させたくないから、自分が頑張るタイプなんです。
リスナーさんが自分たちの時間とコインを削って私を応援してくれてるから、受け取る私が「今日1日2時間つけます」で余裕で受け取りたくないんですよね。
私も死ぬ気でボロボロになっても配信をつけて、そうして受け取るギフトに価値があるってずっと思ってて。
今はちょっと考え方が変わったんですけど、その当時はずっとそう思っていました。
だからこそ、1位という無理をさせてしまう目標を言えず、「10位以内」「6位以内」など届きそうなところを目指すことが多くて、強く言ったことがなかったんですよね。
でも、そのライバーさんが7年越しに1位を取った姿を見て、私は「変わらなきゃ」と思ったんです。
「2024年は参戦するどのイベントでも1位を獲ると言う」とリスナーさんに宣言しました。
そこから、最初に参加したお年玉イベントではTOP10までがプライズの獲得圏内でしたが1位だけを目指しました。
でも結果は8位で普段通りの順位でした。
でも、そのイベントが初めて、圧倒的な上位を目指した挑戦だったんです。
ーー結果以外で何か変化は?
すると翌月、今の私をここまで押し上げてくれたリスナーさんと出会いました。
もちろん他のメンバーも一緒にいましたが、そのリスナーさんが私の知名度を一気に上げてくれて、活動の場が広がっていきました。
そのリスナーさんとの出会いがターニングポイントだと感じる人もいるでしょうけど、私自身にとっての本当のターニングポイントは、自分の考え方が変わった瞬間だったと思います。
それまでは遠慮がちで謙虚すぎるところがあったんですけど、今年になって「ちゃんと自分の気持ちを伝えなきゃ」と思えるようになった。
そこから、風向きがガラッと変わった感じがしますね。
Q5.活躍し続けるために大事にしていることや努力していること
配信時間は最低限必要だと感じていますが、今のリスナーさんたちは私のプライベートも大切にしてくれて、「今まで散々頑張ってきたんだから、休んでいいよ」と言ってくれるんです。
なので、最近は配信時間が少ないかもしれません。
それでも、やることは変わりません。
これからも、つけられる時には配信をつけて、リスナーさんと一緒に楽しむ。
これは、活躍していようがしていまいが、私がずっと続けていくことだと思います。
ーーモチベーションが下がる時はありますか?
モチベーションが下がることはないですね(笑)
ないけど疲れたなと思う時はありますし、リスナーさんの一言でグサっとなることもあります。だから「全くない」と言えば嘘になりますが、私は逆境に燃えるタイプなんです。
何か嫌なことを言われたり、悔しいことがあった時の方が「何くそ!」って気持ちが強くなって、大きなことをやりたくなります。
「〇〇チャレンジ」や「達成するまで 〇〇」、「死んでもやめません」とかを始めるんですけど、その瞬間「またさらの頑固が始まった…」とか、「始まった…誰が火をつけたんだよ…」なんて言われたりします(笑)。
もちろん、しんどい時もありますが、それ以上に配信が本当に好きなんだと思います。
気づいたら自然と配信をつけてしまうし、逆に休む方が怖くて、休む方がモチベーション下がるから配信つけちゃうかも。
完全に職業病ですね(笑)
Q6.これからライバーを始める人や、もっと活躍したいと思っているライバーへアドバイスをするとするならどんなことを伝えますか?
やっぱりリスナーさんにはライバーさんの感情って伝わるんですよね。
だから自分が楽しまないとリスナーさんも楽しくないんで。
まずはライブ配信の楽しいところを見つけて楽しんでほしい。
魅力いっぱいあるんで。ライブ配信は。
そこがわからないと、しんどい方が多いと感じる子もいると思うんだけど。
転がってるちょっとした「楽しさ」をいっぱい拾って見つけてほしいです。
ーーすごくたくさん話してくださって、助かります!
リスナーさんに言われる。「しばらくお待ちください。語りモードに入ってしまいました。」って弾幕が流れるんです。「少々皆さんお待ちください。この子1回喋ると止まりません。」みたいな。
Q7. 2024年月間ランキング1位を3回、7ヶ月連続TOP5という素晴らしい活躍です。今年を振り返るとどうですか?
今一番私の枠を支えてくれているリスナーさんとの出会いでした。そのリスナーさんと一緒に、私の枠全体が全力を尽くして挑んだイベントが「韓国イベ(『ジェニーハウスコスメティックス』公式PRモデルになろう)」で、最初に4位を取ったんです。
そこからが全ての始まりでした。
その後、3月に「戦国(真・戦国時代〜イチナナ大坂の陣〜)」という大きなイベントで、月間9300万ポイントを達成しました。1位のライバーさんは1億ポイントを超えていたので、月間ランキングでは2位でしたが、それでも過去最高記録を出せた月でした。
この「戦国」イベントで、リスナーさんや枠にいたメンバーが本当に力を発揮してくれて、一気に輝き始めました。
まるで毎日がターニングポイントの連続のようで、どこが一番だったかを選ぶのはとても難しいです。
初めて1位を獲ったのが「プリクライベント(フリューのプリショップ『girls mignon』アンバサダー決定戦)」で、この初の1位が大きな自信に繋がりました。
ーープリクライベントは、以前記事でも取り上げさせてもらい記憶に新しいです。
そこからさらに「関コレ(KANSAI COLLECTION 2024 A/W ISAMU MORITA BRIDEスペシャルステージ出演権争奪戦)」でも1位を獲りました。
これは私にとって悲願の1位で、ずっとずっと願い続けていたので、本当に嬉しかったです。
私は順位にこだわりはあまりなくて、1位を取りたいとか何位に入りたいというよりも、昨日より今日、リスナーさんと一緒に楽しめたかどうかが大事だと思っていました。
でも、「関コレイベント」で1位を取った時に、「1位を取ることがこんなにも自信に繋がるんだ」と実感しました。
実は、「関コレイベント」では2位でも良いと思っていたんです。
プライズにそれほど大きな違いはなかったので。
でも私の大切なリスナーさんがずっと1位をキープさせてくれて、気づいたら私自身も「1位が欲しい」と思うようになっていました。
結果より過程が大事だって思い続けて来たけど、今年は特に結果も大事だなと感じるようになりましたね。
そして「夏祭り2024」では初のリアルイベント1位を経験しました。
この半年間は初めてのことが多すぎて、特別な瞬間を選ぶのが本当に難しいです。
どれもが大切な1位で、忘れられない経験です。
Q8. 憧れのママライバーとして尊敬しているライバーも多いと思います。3姉妹のママとして育児との両立の工夫などを教えてください。
実は最初の2年間は、子供のことを隠して配信をしていたんです。
配信を始めた時は、被写体モデルをしていてその撮影会の人に「お子さんのことは隠した方がやりやすいかも」と言われたのがきっかけで何気なく隠して始めたのが始まりでした。
特に隠すつもりはなかったんですけど、配信を続けるうちに、たくさんの人に隠すことになってきて結構しんどくなってしまいましたね。
あるイベントの最終日に、子供の寝かしつけをしている途中で寝てしまい、配信ができなかったことがありました。その時は子供のことを公表していなかったので、ただ「ごめんなさい」と謝るしかありませんでした。
もし公表していたら、「寝かしつけで…」と説明できたのに。
それから2周年の時に子供のことを公表して、心が軽くなりましたし、配信でも子供の話ができるようになりました。
ただ、公表していようがいまいが、育児と配信の両立はやっぱり大変です。
子供たちにはたくさん我慢させてきたと思います。
一緒に泣いたこともあります。
この結果を出すために多くのことを犠牲にしてきました。でも、もし過去に戻ったとしても、私は同じように頑張っただろうと思います。今、子供たちも私の活躍を喜んでくれていて、見守ってくれているので、それが本当に救いです。
もちろん、ママライバーとしてのバランスを取るのは難しいですし、私もまだ完璧にはできていないと思います。
でも、ママライバーの皆さんには、配信と育児のバランスを取りながら頑張ってほしいです。
私は2年間子供のことを隠していた影響で、今でも子供の話をあまり出さない配信スタイルに慣れているので、リスナーさんも「子供がいるんですか?」と驚くことが多いです。
他のママと同じように、子供たちを愛する母親であることは変わりません。
この3年間は苦悩の連続で、並大抵の努力ではありませんでした。
自分でもそれを自負しています。
誰にも努力では負けていないと思います。だからこそ、今の結果があるんです。
ただ、他のライバーさんに同じ努力をしろとは言いません。このやり方は体にも無理をさせてしまうので、全ての人に合うわけではないです。
でも、もっと上を目指したい、成績を残したいと思うなら、他の人と同じことをしていては難しい部分もあるかもしれません。
ママライバーさんには、周りに頼れる人がいれば、ぜひ頼ってください。
私も家族や妹に頼りながら配信を頑張ってきました。
そして、配信が終わったら、子供たちとの時間を目いっぱい楽しんで、一緒に頑張りたいです。
Q9.人生において大事にしていることや考え方、流儀などがあれば教えてください。
一言で言うなら、「根性」ですね。
とにかく、やりきること。諦めないし、やめない。どんなことでも全力でやる、死ぬ気で頑張る。
というのが私の基本的な考え方です。
正直、単純かもしれませんが、私は変な計算とかはせずに、直球勝負で突き進むタイプです。
時々「生き様がエンターテイメント」と言われることもありますが、私自身が配信を通してリスナーさんと一緒に楽しんでいる姿勢や、やり切る姿、負けず嫌いなところが、そう感じさせるのかもしれません。
ライバーが本気で配信に命をかけていると、その熱意がリスナーさんにも伝わり、心を動かすことができると思うんです。
私がロング配信をする理由もそこにあります。
リスナーさんの心を動かしたいから、ただ配信しているだけではダメだと思って、死ぬ気で努力する姿を見てもらおうと決めたのがロング配信の始まりです。
ただ、ロング配信が正義だとは思っていません。
しんどいですし、体にも負担がかかります。
それでも、特に大事な場面では私の真骨頂である「根性」を発揮して、これからもロング配信に挑んでいくつもりです。
もちろん、無理はしないように気をつけますが、リスナーさんの心を動かすためにはやはり全力で取り組むことが大事だと考えています。
Q10.今後の展望や最終的な夢、目標は?
今は、ライバー事務所もやっていて、後輩ライバーにアドバイスをする立場にもなりつつあるんです。
これが本当に楽しいんですよね。ちょっとアドバイスするだけでぐんと伸びる子もいれば、「この子、もっと輝けるのに」と感じる子もいます。
私自身も、かつては何気ない一人の人間だったのに、ここまで多くの方々に支えられて輝ける場所を見つけることができました。
だからこそ、私の周りにいる若いライバーや、私を知っている人たちに、同じように「輝ける場所があるんだよ」と知ってもらいたいんです。
もしそのきっかけが私だったら、本当に嬉しいですね。
私が育てたライバーたちが、一人でも多く輝いてくれたら、、、それが私の目標の一つです。
もちろん、私自身も現役のライバーとして配信が大好きなので、これからもずっと頑張り続けるつもりです。
でも最近は、教えることの楽しさも感じるようになりました。
後輩ライバーたちが成長するのを見守るのは、すごくやりがいがあります。
今後は、さらにたくさんのライバーを育てて、彼女たちが輝けるようにサポートしていけたらいいなと思っています。
それが私の今後の展望であり、最終的な夢の一つです。