毎日数万人のクリエイターがLIVE配信を行うTikTok LIVEで、一際存在感を放つ「国民的せんべい」さんにインタビューを実施!
もともとアナウンサーを目指していた彼女が、なぜライブ配信の世界で“国民的ライバー”を目指すようになったのか? 夢や挫折、そして躍進の裏にはどんなストーリーがあったのでしょう。
トーク・企画・歌に加え、彼女ならではの企画力や熱量でリスナーを魅了し続ける理由とは――。
ライブ配信に興味がある人も、既に活動中のライバーさんも必見の内容です!
まずは彼女の原点から、その挑戦の軌跡をひもといていきましょう。
Q1.ライバーを始めたきっかけは?
私はもともとアナウンサーになりたかったんです。
中学時代の卒論では『視聴者とコミュニケーションが取れる番組』をテーマにし、高校の進路希望にも『陽気でかわいいアナウンサーになって、みんなを元気にさせたい』と書いていたほどでした。
アナウンススクールも4つほど掛け持ちしていて、就活もテレビ局に絞っていました。
ただ、そのときふと気づいてしまったんです。「私が目指しているのは、本当にアナウンサーなのかな?」って。アナウンサーの仕事は、基本的に情報を一方的にかつ正しく伝えることが求められますよね。
そのとき、「私がやりたいことと違うかもしれない」と思い始め、テレビ局への就職活動を急にやめてしまいました。
10年間、テレビ局のアナウンサーしか目指してこなかったので、このショックは大きすぎて、大学にも通えない状況になってしまいました。
半年ほど祖母の家で療養し、少しずつ自分を取り戻し、大学を無事に卒業。人材ビジネス系の会社に入社しました。ですが、配属された部署は営業部門のバックオフィス。
なかなか働いた成果が数字では見えない職種で、次第に物足りなさが強まり、「もっと自分に合った仕事があるのではないか」と思うようになりました。
そんな時にたまたま出会ったのが「Pococha」というライブ配信アプリでした。視聴者と双方向のコミュニケーションができて、人を楽しませたり喜ばせたりすることができる。
「これこそ私がずっと求めていたものだ!」と、その瞬間に強く確信しました。
そこからはもう、一気にライブ配信の世界にハマっていった感じです。
Q2. ライバーの魅力や楽しさ、始めてよかったこと、やりがいは?
私は「ライブ配信が楽しいからやっている」というより、「私がやりたい“楽しいこと”をしている姿が、そのままライバーという職業になっている」という感覚なんです。だからこそ、「どうしてみんなライバーにならないんだろう?」と思うくらい、すごく魅力的な仕事だと感じています。視聴者さんから「楽しい」「元気をもらった」と言ってもらえたり、褒めてもらえたり、応援してもらえたりする、そんなことが毎日ある職業って、ほかにあまりないんじゃないかなと。
ー特にライブ配信を始めてよかったと思うことは?
1番は、自分が好きなことや楽しいことを続けた結果リスナーさんが「楽しい」と思ってくれて、結果的に「たくさんの人に応援してもらえる」というところが大きいですね。私が企画を考えたり、トークをして視聴者さんが喜んでくれる。それをきっかけに応援してもらうことができる。さらに、私の場合は「日本で国民的なライバーになり中国で配信して、おばあちゃんの作っている化粧品を広めたい」という夢があるんですが、その夢をリスナーさんと一緒に追いかけられるのもライブ配信の素晴らしさだと思っています。視聴者と目標を共有して、みんなで応援し合える。
それが私にとってライバーをやっていてよかったと感じる部分ですね。
Q3. ライバーの難しさや挫折した経験はありますか?
ライブ配信では、どうしても他のライバーと自分を比べやすいんですよね。TikTokでは特にランキングもあれば、他の人の配信や切り抜きが自然に流れてきたりして、「あの人がこんなに活躍しているのに自分は…」って落ち込むこともある。そこがメンタル的に大変だと思います。
ただ、「毎日配信がキツい」と感じたことはないですね。むしろ365日中364日くらいは配信してますし、長時間配信も息を吸うように普通にやれてしまうタイプです(笑)。私が挫折しかけるとしたら、「理想の自分になれていないのでは?」という気持ちが湧いたとき。そのたびに「自分はどういう配信を目指しているんだっけ?」「自分がどうありたいか?」と原点に立ち返って、モチベーションを持ち直しています。更に私の枠では、私が理想の自分を見失いかける度にわたしの夢や目標を一緒に追いかけてくれているリスナーさんが、本来の私が目指しているゴールに引き戻してくれることもあります。それくらいリスナーさんは私の夢や目標を理解してくれていて、応援してくれていると感じています。
ーメンタルが落ちる瞬間やたて直し方はありますか?
結果が出なかったイベントやオーディションだと、せっかくみんなが応援してくれたのに…という悔しさや申し訳なさで落ち込むこともあります。そういうときは、気持ちを正直にリスナーさんに伝えます。泣いてしまうこともありますが、その度にリスナーさんは、「それでも楽しかったしこういう成長があったね」「次に繋がるはずだから、次も頑張ろう」「数年後のための今でしょ。1回ダメだったくらいで落ち込まないの!」と励ましてくれます。その言葉にとっても前向きになれます。また、配信の録画やリスナーさんからのコメントやDMを見返して、「精一杯頑張れたし、楽しめた」という事実を改めて思い出すんです。そうすると、「じゃあ次はもっと新しい仲間を増やして頑張ろう!」と気持ちを切り替えられます。
Q4. 飛躍したきっかけやターニングポイントは?
TikTokを始めたばかりのころ、実は制服を着て「スケバンデカ」のキャラで配信する…という自分の中でギアを1段上げるような設定でやってたんです。
でもTikTokLIVEという舞台では通常でも1段ギアをあげていないと目立てない世界で、その上に「スケバンデカ」の慣れないキャラで配信をするので、かなり精神的に負荷がかかるような配信をしていたと思います。これだと「続かないし、自分らしくない」と思いはじめたんですね。
そこで、やっぱりポコチャの時みたいに素で雑談配信しよう!と方向転換したら、偶然めちゃくちゃ強いライバーさんがバトルで入ってきて、一方的にボコボコにされる展開になりました。でも私は小さなギフト1個がすごく嬉しくて楽しくて全力でリアクションしていたんです。それを見たリスナーさんが「なんでこんなに負けてるのに楽しそうなの?(笑)」と興味を持ってくれて大量に”ライオン”(高額ギフト)を投げてくれたのがきっかけで、一気にランキング上位に浮上して……。
その流れで他のリスナーさんからもせっかくのチャンスだからと1M(100万ダイヤ)に乗せていただき『もうこれは日間ランキング1位を目指すしかない。』となり、そのまま日間ランキング1位を獲得できました。この日はまだTikTokを始めて3週間で、私にとって大きなターニングポイントになりましたね。
Q5. 活躍し続けるために大事にしていること、努力していることは?
私はまず「配信が本当に楽しいものになっているか」「リスナーさんを楽しませられているか」をいちばん大事にしています。そこを常に気にしながら配信しているんですね。
私の枠に来てくれるリスナーさんは、本当に「国民的に天才」と言いたくなるような方ばかりです。ギフトで応援してくださる方はもちろん、ギフトをあまり投げられなくてもコメントで盛り上げてくれたり、私の気持ちに寄り添って言葉をかけてくれたり。
「絶対勝ちたい」と思っているバトルではすごく団結してくれるし、私が大事にしているライバーさんのことまで一緒に大事にしてくれるんですよ。本当に世界一素敵なリスナーさんたちだなと感じています。
だからこそ、私は毎回「もっと楽しい配信をしよう」「こういう最高のリスナーさんをさらに増やして、もっと大きくて楽しい枠にしていこう」と思いながら、配信ボタンを押しているんです。
Q6. これからライバーを始めたい人、もっと活躍したい人へのアドバイスは?
まず「これからライバーを始める人」や「始めるか悩んでいる人」に向けてですが、
これは私の考え方なんですけど、面白くないとライブ配信じゃないと思うんですよね。
正直、TikTokの機能を使ってバトル申請を2回タップするだけで日々の生活費を稼げる可能性はあります。でも、それだけだと「何が楽しいんだろう?」と思ってしまうんですよね。
もちろん、バトル機能やコラボの仕組みを活用するのは悪いことではありません。ただ、それにばかり頼りすぎるのではなく、常に「視聴者さんをどう楽しませるか?」を考えてほしいんです。仮にバトル機能がなくなったとしても、自分ならではの個性や企画で楽しませることができるかどうか。そこを追求すれば、あなたを応援してくれるファンは必ずついてくると思います。
次に私と同じように「もっと活躍したいライバー」さん向けに伝えるとすると、どうしても周りのライバーが気になってしまうと思います。だけど、どのライバーさんの枠にも一生懸命応援してくれるリスナーさんがいるのは同じです。私たちがやるべきことは、いかに自分の特徴を活かして視聴者さんを楽しませるか、という部分を考え抜くことだと思います。TikTokにはお手本となる配信がたくさんあるので、最初は誰かの真似から入ってもいいでしょう。でも、ある程度配信に慣れて自信や実力がついてきたら、「自分にしかできない楽しませ方」を見つけてみてほしいんです。そうすることで唯一無二の配信スタイルが生まれ、結果的に大きな飛躍にもつながるのではないでしょうか。
Q7. コアなファン作りが上手だと感じます。そのコツや秘訣は?
実は私の配信で行う企画は、ほとんどがリスナーさんのアイデアをもとに作られているんです。もしくは、私が考えた企画をリスナーさんに相談して「もっとこうしたほうが面白いよ」「こういう要素を加えてみたら?」といった意見を取り入れたり、ブラッシュアップしていくことも多いですね。
もちろん、企画をする前は「本当にこれでみんな楽しんでくれるかな?」「ちゃんと笑顔になって『せんべいちゃんの企画、面白いね!』って言ってくれるかな?」と、すごく不安になることもあります。時間やお金をかけて、頭をひねって準備をすればするほど、心配も大きくなってしまうんですよ。でも、実際に配信をすると、リスナーさんが「すごく面白かった!」「またやってほしい!」とコメントしてくれたり、それが切り抜き動画などで拡散されて「この企画、楽しそうだね」と別の人からも言ってもらえたりします。
それが、さらに面白い企画を生み出す原動力になっているんです。
(これを見ているリスナーのみんな、ちゃんとせんべいに”褒め褒めフィードバック”するように!!)
そうやってリスナーさんと一緒に企画を作り上げていくことが、私の枠ならではの魅力につながっているのかなと思います。
Q8. オフラインイベントなど、在宅での配信以外の活動について教えてください!
私は大好きなリスナーさんたちと直接会える機会や、リアルの場で見てもらう機会をとても大切にしていますし、自分自身もそういったイベントが大好きなんです。なので、自分で企画することもあれば、所属事務所から提案があったイベントには積極的に参加するようにしています。
特に思い出深いのが、昨年の夏に開催した「オフ会兼コンサート」です。会場には50人ものリスナーさんが駆けつけてくださり、目の前で大きな声援をもらえるのは本当に嬉しかったですね。しかも、そのコンサートを配信でも流していたので、オンラインでも同接800人を超える方々に観ていただけました。
さらに嬉しいのは、そのコンサート動画をきっかけに私を知ってくれた初見さんが、今でも毎日のように配信に来てくださること。「あのコンサート見たよ!」と声をかけてもらえるたびに、やってよかったなと心から思います。
Q9. 所属事務所「タイムチケット」について教えてください!
事務所によってそれぞれ運営方針が違うと思うんですけど、「タイムチケット」はとにかく自由度が高くて、私が好きにやらせてもらえるんですよね。何かを強制されたことは一度もありませんし、私がやりたいことを可能な限り形にしてくれる。
もちろん、私が真剣に配信に向き合い、行動しているから自由にできている部分もあるのかもしれない。でもスタッフさん一人ひとりが配信が好きでライバーのことを本気で応援してくれているのは間違いないし、日々のやり取りや交流会などを通しても、ライバーを大切に考えてるんだなと伝わってきます。「ここを選んでよかった」と毎回実感しています。
Q10. 人生において大事にしていること・考え方は?
私は、どんなに無謀なことでも、どんな夢や目標でも、「やってみなきゃわからない」という考えを、子どもの頃からずっと持っています。これは父から「自分の可能性を狭めるのはいつも自分。やる前から無理だと思って挑戦を諦めるな」と言われて育ったからなんです。
でも、そんなふうにずっと思っていた私でも、最初から「国民的な存在を目指そう!」なんて考えていたわけじゃありません。実際には、いろんな人の応援があってこそここまで来られたし、私以上に私の可能性や才能を信じきってくれているマネージャーの存在もあって一歩ずつ夢に向かって進んでいる最中です。
今でもこの考え方は大切にしていますし、リスナーさんの中にも、私が「これはさすがに無謀かな…」と思うようなチャレンジに挑もうとすると、「可能性は0じゃないよね?」と後押ししてくれる方がいます。だからこそ、何をするにも「可能性は0じゃない」と思いながら挑戦し続けられるんです。
Q11. 今後の展望や最終的な夢・目標は?
大きな夢は2つあって、「国民的ライバー」と呼ばれるほど有名になること、そして「中国版TikTok(抖音)」で日本人として初めて本格的に配信し、おばあちゃんの化粧品を中国に広めることです。
そのためにも、まずはTikTokで誰もが知るライバーになりたい。年末の最大のイベント「TikTok LIVE All Stars」でギフト部門とエンタメ部門の両方に出場して結果を出す、という目標を掲げています。
Q12.憧れ・目標のライバーはいる?
1年前にも同じ質問を受けたときに答えたのですが、私の憧れや目標にしているライバーは「将来の自分」です。もちろん、「ここがすごい!」と思うライバーさんはたくさんいて、リスペクトもしています。そういった方々とコラボして刺激を受けたり、「負けたら悔しいけど私ももっと頑張ろう!」と思えたりするのは、本当にありがたいことだなと感じています。
ただ、「この人が私の憧れの存在」というより、最終的には「自分が思い描く未来の自分」こそ目標にしているんです。他のライバーさんへのリスペクトの気持ちは常に持っていますが、純粋に「憧れるライバー」を挙げるなら、やはり将来の自分ですね。
Q13. ライブ配信とはあなたにとって何ですか?
いつも言っているんですけど、「ライブ配信 = 私の人生」ですね。365日のうち1日しか休まないくらい配信しているので、休んでいる日ですら配信のことを考えてしまうんです。結局、常に頭の中には配信のことがあって、私にとってはそれがもう生活そのものであり、人生そのものなんですよね。
やっぱり私はライブ配信が大好きです。
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〈ライブタイムズ編集部〉