お笑いコンビ・霜降り明星の粗品がMCを務めるトークバラエティ番組『ドーピングトーキング2』を毎週レビュー。6月24日にABEMAで放送されたエピソード2ではチャンス大城のトークにフォーカスを当てたい。

過激さよりも残った“地道な狂気”――蓮見翔のトークが示した番組の原点/『ドーピングトーキング2』レビュー#1
前作からの連続出演を続ける、チャンス大城は事故物件に10日間に滞在し、恐怖体験をしてきたというトークを披露。序盤から怪奇現象に襲われ、ドーピングトーキングらしい刺激的な入りだった。だが、単に背筋を凍らせるような恐ろしいだけの話にならないことに大城が話す意味があるのだろう。
むしろ大城が挑戦した意味は予想外の方向へ飛んでいく予想不能なトークにあるのだ。
スタッフも撤収していなくなり、完全に一人きりの状況で大城が呼んだのは風俗の女性。なぜわざわざと感じるのだが、ここでその決断をするのが大城の狂気性を感じさせる。また、心霊×エロという未知の組み合わせはマンガなどフィクションの世界で聞いたことはあっても、現実世界では類を見ない。
とはいえ、いくら切り口が新鮮でも、トークにできるような出来事が必ず起きるわけではない。百戦錬磨の大城はそれを知っているからこそ、普段から違う部分を目ざとく探しているのだと思う。
結局、大城は計4度もその一軒家に同じ女性を呼んだという。その女性は霊感が強かったらしく嫌な気を感じてはいたそうだが、具体的に何か奇妙なことが起きたということはなかったようで、大城もそこにはあまり言及していない。
むしろ毎度律儀に同じ場所を訪れ、悪態をつきながらもやることはやってくれる女性のリアクションにスポットライトを当て、トークを完結させていた。ひとつひとつの細かい言葉や表情などもまっすぐと描写しているのは大城ならではで、未知のジャンルの組み合わせがこういった着地になるのかと思わず感心させられた。
また、令和ロマンの松井ケムリや鬼越トマホークの金ちゃんは、それぞれ新宿二丁目のゲイ界隈の話、コタツ記者の話について直接取材を行い、興味深いトークをしていた。どちらも聞いたことはあっても、具体的には知らないことだらけの世界だけに、現場にいる人々からの情報は嘘がなく新しい見識を与えてくれるようなトークとなっていた。
ガクテンソクの奥田にしてもアカデミックなトークの題材を選んでおり、だからこそ前半の大城のトークの馬鹿馬鹿しさが際立った。大城が示したのは何を語るかではなく、どう語るかというひとつの答えのようにも感じた。
恐怖にもエロにも過度に傾くことはなく、結局は人間のディティール。どんなドーピングトーキングも最終的には同じ結論にたどり着くのではと示唆されるようなエピソード2となっていた。
〈ライブタイムズ編集部 / 文:まっつ〉※本記事は分析・考察を含むコラムです。