
TikTokフォロワー数98万人。SNS総フォロワー120万人超。独学4年で築き上げた圧倒的な数字の裏には、一つの覚悟があった──。
ライバー界では極めて稀な、100万人超えインフルエンサーとの”二刀流”。ほぼ毎日配信を行いながら、動画も投稿し続ける。その希少なポジションで、彼女は何を見て、何を守り、何を目指すのか。
「ブランディングを下げない」「人とは比べない」「長期目線で続ける」──数々の葛藤を乗り越え、辿り着いた活躍の秘訣。そして、その先に見据える夢。
「有名になって、私の生き様を刻みたい」
TikTok LIVEで活躍する、女性ライバー唯一のトップインフルエンサー「いゔ」に、独占インタビューを実施。本記事は、前後編にわたるロングインタビューの前編だ。
後編はこちら|【ファン必見】”応援される”は普通ではありえない。「その分、楽しませたい」が私の原動力
Q.まずはじめに、改めて簡単な経歴やライブ配信活動、インフルエンサー活動について教えていただきたいです。
19歳の頃からTikTokを始めて、現在23歳であと少しで4年になります。最初はダンス動画を上げていたんですけど、途中からコメント返信みたいな喋る系の動画を入れ出したら、グーンって伸びて。正直、喋る系のネタ系ばかりだときついので、ダンスも混ぜて臨機応変にやっているスタイルですね。
ーー現在のTikTokでのフォロワー数は?
約98万人です!
ーーライブ配信の活動は?
TikTokライブはずっと雑談配信で、3年ぐらいやってます。
ーーライブ配信に注力されているクリエイターの中で、ここまでフォロワー数が多い人はなかなかいませんよね。
ほぼ毎日配信してる方で100万人超えてる人はいないと思います。配信の頻度は以前は週6でやってたんですけど、今はちょっと減らして週5になっちゃってます(笑)。
Q1. それぞれの活動内容や、注力している活動を教えてください!
気持ち的には絶対的にインフルエンサー活動の方が大きくて、知名度を上げたい、有名になりたいっていうのが1番の目標なので、動画に力を入れたいなと思ってるんです。でも結局のところ、配信の方が時間をかけちゃっている気がしますね。話す内容も考えてるし、リスナーさんとの距離感だったり。普通にしていると、コメント数がそんなに多くはないから、どれだけコメントをしてもらえるかを考えて、配信始める前に何を話すかをメモったり、ギフトのリアクションを考えたりしています。
ーー同時接続者数はどのくらいいるんですか?
視聴者数は約300人ぐらいです。
ーー企業案件などもよく来るのでは?
案件をいただいたりもするんですけど、あんまり受けてなくて。
ほぼ動画と配信だけの活動ですね。
ーーメディアや外部へ露出していきたい?
外には出ていきたいっていう欲はあります。YouTubeもまだできてないんですけど、そろそろ本腰入れて動かしていきたいなという感じです。
ーー19歳までは何をされていたんですか?
ずっとアルバイトをしてました。高校卒業してからは通信の大学に通ってたんですけど、2年生で辞めちゃって。それまではもうアルバイトばかりで、いろんなところで掛け持ちして、多分今までで20個ぐらいのバイトを経験しました。そのアルバイトをやってる時に、TikTokをちょっとやってみようかなって。
始めたきっかけはちょっとあれなんですけど…(笑)。元カレがTikTokやってて、なんかちやほやされてて、「むかつくな」というのがあって、「私もやったろう」って(笑)。そしたら案外面白いかもってハマり出して。完全に趣味から始まって、伸びていったという感じです。
Q2. Instagram、TikTok、XなどSNSの総フォロワーが120万人以上と、非常に大きな影響力をお持ちです。どのようにして今のポジションを築いてこられたのでしょうか?
結構貪欲にやってきました。インフルエンサーはたくさんいるので、その中で「こういう人になりたい」という人を集めて、その人たちをフォローして、毎日観察して、どういう動画が伸びるのかを研究しました。ダンス動画を出してる人たちは、お洋服が毎日違ったりして、そういう工夫もしてるなと思って、すごく勉強になりました。
最初からでっかい目標を立てず、最初は1万人、次は5万人、10万人って、ちょっとずつ行ける段階を目指すという感じで今までやってきました。「クリスマスまでに5万人行く」といった感じで自分に試練を与えていましたね。
ーーそれは独学ですか?
独学です。もともとSNS見るのがめちゃめちゃ好きだから全然苦ではなかったです。
Q3. インフルエンサーになって変わったことや、現在のメインの活動にどのように活かされていますか?
大学生の頃ってお金ないですよね。挑戦したいことがあっても、お金をかけれなかったり、自分に投資したりとかが一切できなかったんです。でも、インフルエンサーになって、ありがたいことに応援していただけるから余裕も出てきて、それで人生経験というか、海外旅行に行ったり、留学したり。今年からは声優の学校に通うんです。こうやって夢を追いかけられるようになったというのが大きな変化ですね。
ーー知名度がついてよかったことは?
元々承認欲求がバカ高いので(笑)、話しかけられたりしたらめちゃめちゃ嬉しいです。
ただ、それよりも、周りの人が喜んでくれるともっと嬉しいんです。ずっと昔から応援してくれていた人が、私の知名度が上がっていくのを一緒に喜んでくれる。それが本当に嬉しいです。
Q4. インフルエンサーとして活躍するために心がけていることはありますか?
調子に乗らないというか、奢らないこと。これが1番ですね。あとはやっぱり継続することです。何にしても最初は何もうまくいかないので。でも私、自信だけはあるんですよ(笑)。その自信を持って、続けていくことが大事だと思います。
Q5.インフルエンサー×ライバーとして活躍する数少ないクリエイターです。両面で活躍できているからこその、メリットや相乗効果はどのような点にありますか?
ライバーだけでもうまくいく自信はあるんですけど(笑)、インフルエンサーを一緒にしていることで、動画から入ってきてくれるリスナーさんがとても多いんです。そこは他のライバーさんよりも認知してもらえていると思うので、大きなメリットですね。
逆に、ライバーで収益をいただいているおかげで、インフルエンサー活動をゆったりまったり自由にできています。これは本当にライブ配信で応援してくれている人たちのおかげです。
Q6.ライバーを始めたきっかけは?
動画を始めて、少しずつ自分のファンの方ができたかなと思って、その人たちと話してみたいという欲求から始めました。19歳の時、まだTikTokは20歳にならないとギフトをいただけなかったので、半年くらいはギフトなしでお話ししていました。収益を求めてというより、友達が欲しいという感じでしたね。
Q7.ライバーの魅力や楽しさ、やりがいを教えてください。
やっぱり人って、聞くより話したい人の方が多いと思うんですよ。でも、自分の話をこんなに真剣に聞いてくれる人たちって、リアルではそんなにいないと思うんです。自分のことを好きでいてくれて、今日できた出来事を一緒に楽しんでくれる。お友達のような感じなので、日常がより豊かになるというか。
あとは、普段は人と対面でお話しする感じですけど、ライブはその画面越しだから、相手に合わせる必要がなくて、完全に自分の空間なんです。だから好きにできる。リアルより自分の素を出せるのが、結構魅力かなと思います。
ーーライバーを始めて良かったことは?
意思が弱かったんですけど、ライブってアンチも来るんですよね。最初の頃はとても落ち込んでいたんですけど、慣れてくると「そういう意見もあるよね」という感じで流せるようになって。大人になれたというか、自分の意思を持てるようになりました。
やりがいは、関西コレクションに出させていただいたり、盾イベに出たり、イベントに結構参加させていただいたんですけど、大人になると体育祭のようなものってないですよね。でも、ライブでイベントをやると、みんなが団結してくれて、感動も生まれる。非日常の感動を味わえるというのが、やりがいですね。
Q8.逆にライバーの難しさ、辛い部分、挫折した経験はありますか?それをどう乗り越えましたか?
やっぱり数字で見えてしまうので、他のライバーさんと比較してしまうのが1番ですね。視聴者数の振り幅に悩んだり、視聴者数が減ったら自分に価値がないんじゃないかと考えたり。元々はポジティブでも、ライバーをやることでちょっと考えすぎる性格になってしまう人も多分いると思うので、そこがやってみないとわからない難しさかなと思います。
乗り越え方としては、無理に克服しなくていいと思うんです。比べたところで意味はないなって。例えば、私がラーメン屋さんで、相手が蕎麦屋さんなのに競っても意味ないですよね。だから、自分の良さを引き出していく。人とは比べない。
誰よりも長く配信できればいいと思っています。ライバーさんって短命と言われていて、「1年続けばいい方」という声も聞きます。私はランキングを狙うのがちょっと苦手なので、コツコツ続けて、誰よりも長く続けられればいいなと。長期目線でやっていこうという感じです。
挫折した経験は、今まで長期休みを取ったことがなかったんですけど、長くて1週間休んだ時に、ちょっともやもやして「何の意味があるんだろう」と思ったことが最近ありました。でもそれは人生に悩んでいただけで、ライブやインフルエンサー活動での挫折はないです(笑)。
自分に自信あるので、「全然やっていけるっしょ!」と思ってます(笑)。
Q9.インフルエンサーでありながら、ライバーとしても大きく活躍されています。両方の経験があるからこそ分かる「成功(活躍)の秘訣」があれば、ぜひ教えてください。
インフルエンサーとライバー両方を続ける上では、バランスですね。バランスをちゃんと考えて、のめり込みすぎない。ライバーになると配信やギフトをもらうことばかりに意識が向いてしまって、動画に全く力を注がなくなる人も結構いるんですけど、それは良くないなと思っていて。1番の自分の目標を見失わないように、ちゃんとバランスを取るというのが秘訣ですかね。やっぱり目先のお金を追うのは違う、という意識が大きいかもしれないです。
ライバーさんでインフルエンサーを始めたい方は、ライブの時間はそんなに長くない方がいいかもしれないですね。ぶっちゃけると、長時間配信していると、こちらは真剣で時間があるように見えてしまうから、あまり良くないかもしれない。ライバーをやりすぎると距離が近くなりすぎて、ブランディングが下がってしまう。そういう意味でも、ブランディングは大事だと思います。
Q10.ライバーとして、インフルエンサーとしてそれぞれの今後の目標を教えてください。
ライバーとしての目標は、何かで1位になりたいとかではなく、どれだけ長く続けられるかです。私は、結構病むタイプで、夜中って、誰しも気持ちが沈んだり、考え込んでしまったりすることがあると思うんです。そう考えている時に、リスナーさんもこうやって沈む時があるんだろうなと思って、それを少しでも支えられたらいいなと思っているんです。できる限り自分も寄り添えるように、長く配信を続けるというのが目標ですね。挫折せず、無理しない程度に長く続けていきたいです。
インフルエンサーとしては、絶対に知名度を上げる、有名になるというのが目標です。でも、どこからが有名かという基準ってないですよね。だからまだわからないんですけど、自分の価値を下げない、ブランディングもリスナーさんにとって恥ずかしくないような推しでいたいという感じですかね。
ーー有名になったその先で何をしたいですか?
これずっと考えているんですけど、漠然としすぎていて。テレビも出たいし、演技とかもしてみたいというのはあるんですけど…活動自体が好きなんです。家族や自分の周りの人に喜んでもらえることも嬉しいですし。有名になって何がしたいというわけじゃないんですよね。
「有名になって私の生き様を刻みたい」が近いかもしれません!
後編はこちら|”応援される”は普通ではありえない。「その分、楽しませたい」が私の原動力
〈ライブタイムズ編集部〉