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Home»ニュース»TikTokとLark「2つの0→1」を経た元ByteDance上席執行役員が語る、”集大成”としてのライブコマース|CREOK CEO 桜井吉男〈独占インタビュー・前編〉
ニュース 2026/05/17 15:18⇆2026/05/17 16:28

TikTokとLark「2つの0→1」を経た元ByteDance上席執行役員が語る、”集大成”としてのライブコマース|CREOK CEO 桜井吉男〈独占インタビュー・前編〉

TikTok Shopに特化したインフラカンパニー「CREOK(クレオク)」。創業わずか1年足らずで、昨年6月末にサービスローンチしたTikTok Shopにて、自社アパレルブランド店舗立上げ2ヶ月目で月間GMV2500万を達成し、UUUM・トランスコスモスとの戦略提携を次々と発表するなど、日本のライブコマース業界で急速に存在感を高めている企業だ。

そのCEOの桜井吉男氏は、異色の経歴を持つ。中国での生活は18年、義烏で貿易商社を起業した後、ByteDance Japanに参画。上席執行役員としてTikTokの日本市場立ち上げを主導し、その後、ビジネスツール「Lark」の日本法人代表取締役も兼任した。ByteDanceがグローバルに打ち出す2大プロダクト、その両方の「0→1」を経験した稀有な人物だ。

LIVE TIMESは、桜井氏に独占ロングインタビューを実施。前・中・後編の3回にわたり、その全貌に迫る。前編では、20年を超えるキャリアの軌跡と、CREOKが生まれた「決定的な瞬間」を聞いた。


桜井氏 プロフィール

桜井 吉男(さくらい よしお)

株式会社CREOK 代表取締役CEO。東京都出身。高校卒業後に中国へ渡り、足掛け18年にわたり日中ビジネスに従事。義烏で国際貿易の総合商社を起業し、日中韓3か国間のノベルティ・販促物貿易を展開。その後フィンテック事業のCEOを経て、2018年にByteDance Japanに参画。TikTokの日本市場立ち上げを主導し、上席執行役員を務める。2022年にはLark日本法人の代表取締役を兼任。20年以上にわたる日中ビジネスの経験と、ByteDanceで培ったデジタル戦略の知見を武器に、2025年7月、TikTok Shopに特化したインフラカンパニー「CREOK」を共同創業。

「日本は世界17番目」TikTok Shop市場の実態と、企業が今すぐ知るべき参入の勘所|CREOK CEO 桜井吉男〈独占インタビュー・中編〉

「15分で8億円」の世界が来る?スーパーコマーサー創出と、日本ライブコマースの未来図|CREOK CEO 桜井吉男〈独占インタビュー・後編〉


中国18年。義烏で起業し、世界の工場を駆け抜けた原点

ーーまず、CREOKを立ち上げるまでのキャリアについて教えてください。中国での生活が長かったとお聞きしました。

出身は東京です。高校は都立の千歳高校、今はもう合併してなくなってしまったのですが、そこに通っていて、卒業後すぐに中国に渡りました。大学の専攻が国際貿易および経済で、そのまま中国で起業したのが最初のキャリアです。足掛け中国生活は約18年間になるので、もう半分中国人みたいなもので、言わなければ分からないぐらい中国語は話します。

一番最初に立ち上げたのは貿易の総合商社です。当時は中国の高度成長期の真っ只中で、「世界の工場」と言われていた頃でした。義烏(イーウー)という、世界最大の小物タウンと言われる町があるんですが、ダイソーさんの仕入れ先として有名で、世界中で売られているクリスマスグッズの7割以上がそこで生産されています。そこで起業しました。

ーー商社ではどのような事業を?

当時の事業パートナーが韓国人だったこともあって、日中韓のアジア3か国をメインに伝統的な国際貿易をやっていました。中身は企業の販促物、ノベルティですね。韓国側で言えば現代自動車・LG・サムスンといった大手企業に、販促物を中国で生産して納めていました。

例えば現代自動車で車が1台売れると、ギフトキットが付くんです。そのギフトボックスの中身、充電コードやアクセサリー等を中国で生産して納品する。日本は伊藤忠さんや丸紅さんなど商社向けに下請けとして供給していました。

ーー貿易商社の次はフィンテック事業に転じたそうですね。

中国での生活が長く、ビジネスのベースも中国にあったので、「中国進出したいがどうすればいいか」「飲食店を開きたい」といった問い合わせがたくさん来たんです。最初は無料で相談に乗っていたのですが、ある時点で事業化した方がいいとなり、大連でコンサルティング会社を立ち上げました。

その一環で、チャイナテック企業のフィンテック事業、端的に言うとスマホ決済のCEOを務めることになりました。今でこそ「なんちゃらペイ」は当たり前ですが、当時の日本ではまだ全然普及していなかった。中国人観光客が世界中どこに行っても中国にいるのと同じようにスマホ決済ができるサービスで、位置情報に基づいたプッシュ通知で周辺のお店の情報を届ける、帰国後にアプリを通して越境ECで更に買い物が出来る、そういった一気通貫のプラットフォームを運営していました。


「出社1日目、スーツは自分だけだった」。ByteDance Japanの0→1

ーーByteDanceに入った経緯を教えてください。

ByteDance北京本社に知り合いがいて、「日本で会社を立ち上げたので責任者を探している」とお声がけをいただきました。ただ当時、僕はByteDanceをあまり知らなくて。今日頭条(Toutiao)というニュースアプリは中国で使っていたので知っていましたが、会社までは知らなかった。しかもフィンテック事業のCEOもやっていたので、一度はお断りしたんです。

最終的にお声がけいただいたのが2018年。僕は日中ビジネスという軸で20年以上やってきましたが、デジタル広告の領域は未経験でした。ByteDance側も日本市場は本当に何もない状態で、「とにかくオンボーディングで入ってもらって、慣れてきたらやりたいことに移ればいい」と。最初は戦略人事のような立ち位置で入りました。

ーー立ち上げ期で一番苦労したことは?

もう苦労だらけです。1つ具体例を挙げると、当時採用した営業メンバーの入社後最初の仕事が何かというと、クライアント先に行って謝罪することなんですよ。まず「ごめんなさい」から始まる。当時のTikTokのデジタル広告は本当にカオスな状況で、バグも頻繁に起きていた。信頼を得ることにすごく苦労しました。

象徴的だったのは、入社当時のエピソードです。僕は珍しく北京本社に入社して、3ヶ月オリエンを受けて日本に戻ってきたのですが、出社1日目、僕だけがスーツ・ネクタイで1人で浮いている状態(笑)。当時の日本側は正社員が片手で数えるぐらいしかいなくて。

最初のミッションは、後にByteDanceのSVPになった方へのオファーを作ることでした。電通に20年いらっしゃって、北京電通の社長も7年経験された方です。本社から来たオファーを見たら、契約期間が1年って書いてあるんですよ。日本の労基法も何も分かっていない状態で。電通20年、福利厚生も充実している方に、何もないスタートアップから1年契約のオファーを出して、誰が来るんですかと(笑)。まさにそこからのスタートでした。

ーーその後、Larkの日本法人代表取締役も兼任されたと。

2022年に、ByteDance社内で使っているビジネスツール「Lark」を本格的に日本で事業展開していくことになり、「代表に興味がないか」とお声がけいただきました。ByteDanceの上席執行役員を兼任しながら、Larkの代表取締役も務めることになりました。だから僕はByteDance Japanでも珍しく、TikTokとLark、ByteDanceがグローバルに打ち出す2大プロダクトの両方の0→1を経験してきたということになります。

ーーByteDanceでの経験で、仕事観が変わった部分はありますか。

一番はスピード感ですね。通常、多くの企業は3ヶ月ごとにKPI・OKRを設定しますが、当時のByteDanceはOKRが2ヶ月だったんです。「バイマンスリー」と呼ばれていて、設定したばかりなのにもうレビューしなきゃいけない。実践の中でどんどん改善していくスタイルです。

よく「ByteDanceの1年は外の3年」と言われますが、今の時間軸で言えば、1年は外の5年でしょうね。日系企業は石橋を叩いて叩いて渡らない、みたいなところがありますけど、チャイナテックは「とりあえずGo」。ここが仕事をしていく上での一番の価値観の違いだと思います。


「この3人なら、やれる」──タイムマシンビジネスとしてのCREOK

ーーByteDanceを辞めた後、どのような流れでCREOKの創業に至ったのですか。

ByteDanceには約7年いました。1年が3年と数えれば約20年以上働いてきた計算になるので、さすがに疲れました(笑)。2024年の下半期は家族との時間を大切にしたいということで、ほぼお休みをいただいていた状況です。

ただ、退社後にSequoia China(セコイアキャピタル中国法人)の役員の知り合いから連絡があって、「ByteDanceで6〜7年やってきた0→1の立ち上げノウハウで、日本に進出してくる中国企業の受け皿になってくれないか」と。それでまず自分の経営コンサルティング会社「Keystoneworks」を立ち上げました。

その後、2025年の初め頃から「日本でTikTok Shopがローンチされるらしい」という相談が急増したんです。アドバイザー・顧問としての依頼が次々と来る中で、今のファウンダーメンバー2人、佐々木健一と岡本昇からも同じ話が来ていた。「であれば、この3人でやってしまった方が早い」と。それが決定的な瞬間でした。

ーー3人のファウンダーが揃った決め手は何だったのでしょうか。

佐々木健一は元々EC事業会社を20年以上経営、楽天市場を中心にレディースアパレルを10年以上運営してきた実績があります。岡本昇は楽天やAmazonをやっていて、2024年の楽天市場総合ランキング1位のアイテムは実は岡本の会社のものでした。彼の強みは自社製品開発と、中国・東南アジアに強いサプライチェーン。加えて、広告看板業を19年やってきた空間演出のプロでもあります。

僕がByteDanceで培ったデジタルマーケティングとアルゴリズムの知見、佐々木のEC経営20年の実績とネットワーク、岡本のサプライチェーンと商品開発力。この3人が組めば「勝算しかない」と。加えて佐々木は日本中華総商会の常務理事を務めていて、約700社が参入する日中ビジネスネットワークのハブになっている。おかげで立ち上げから今に至るまで、新規営業は一切していません。全て引き合いとご紹介で回っています。

ーーTikTok Shopは日本では後発のローンチでしたが、それをどう捉えていましたか。

グローバルで見ると、TikTok Shopビジネスは日本が全世界で17番目のローンチなんです。東南アジアから始まって、USマーケット、南米・ヨーロッパと来て、日本は17番目。業界関係者は皆「待ちに待った」というタイミングでした。

僕はこれを「タイムマシンビジネス」だと思っています。先行する16か国・リージョンのデータがすでに取れている。キャズムを超えたらどうなるか、カテゴリーとして何が人気なのか、アーリーフェーズでどう立ち上げるべきか、マーケットが飽和した時にどこにシフトするか。その情報を事前に持っている。だからこそCREOKは立ち上げフェーズから早期に成果を出せてきたんです。

ーー桜井さんご自身にとって、CREOKはどんな位置づけですか。

正直、元々TikTok Shopに関わりたいという気持ちは全くなかったんです。ただ、今になって分かるのは、自分が20年以上やってきたことが全部ここに集約されているということ。中国でのサプライチェーン構築、商習慣の理解、そしてByteDanceにいたからこそのアルゴリズムの知見や戦略性。まさに集大成です。

ただ、EC自体の経験は僕にはなかったので、佐々木と岡本がいなければ自分で発起人としてやろうとは思わなかったでしょう。このファウンダーがいたからこそ、この3人ならやれるという確信が持てた。そこは間違いないですね。


中編では、TikTok Shop市場の成長性と日本市場の特徴、企業がライブコマースに参入する際にCREOKが提供する具体的な支援内容に迫る。

「日本は世界17番目」TikTok Shop市場の実態と、企業が今すぐ知るべき参入の勘所|CREOK CEO 桜井吉男〈独占インタビュー・中編〉

「15分で8億円」の世界が来る?スーパーコマーサー創出と、日本ライブコマースの未来図|CREOK CEO 桜井吉男〈独占インタビュー・後編〉


〈企業情報〉

株式会社CREOK:https://creok.co.jp/

所在地:東京都江東区毛利2-9-20 4F(JR総武線・半蔵門線「錦糸町駅」徒歩8分)

設立:2025年7月 / 資本金:1億円(資本準備金含む)

クリエイターのお問い合わせ:

企業のお問い合わせは:info@creok.co.jp

〈ライブタイムズ編集部〉

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