『第47回ABCお笑いグランプリ2026』ではゼロカランが頂点に立った。
若手芸人の登竜門的な大会であり、10年以内の芸人であれば漫才、コント、ピン芸とジャンルを問わずに参加できる本大会。ゼロカランはBブロックでダウ90000らを退け、決勝では668点という高得点を獲得し、優勝を果たした。

ゼロカランのネタの大きな特徴といえば、ツッコミでのボケ回収だ。
近年では霜降り明星や真空ジェシカなどもボケをツッコミで“答え合わせ”する形で、高いレベルの漫才を作り上げてきたが、ゼロカランもその系譜に含まれるだろう。
あえて異なる点を挙げるとすれば、ツッコミの内容だろうか。粗品のYouTube企画『ツッコミマン』やテレビ番組『ツッコミスター』でも光った通り、ワキユウタのツッコミはたとえでこそ成り立っている。とりわけ完成度の高かった1本目からいくつか抜粋したい。
「家庭科室か」や「鳥人間コンテストか」は不明点があるボケをしっかりと紐解くもの。一方で、「フィギュアスケートのおもんない時間」や「アパレル業界か」などは他のワードを当てはめることもできるだろうが、ワキの主観も含めたツッコミによってより笑いを増す作りとなっている。共感できてもできなくても笑える、不思議なワードたちだ。
外しとして、「おはようございますや!」のツッコミも鮮やかだった。変な言い方で「おはよう」を列挙したボケのたいがに対し、これにはどうツッコむのだろうと多くの人が期待を膨らませた。それにシンプルにタメ口を注意するというのは完全に裏切られ、終盤さらに漫才を加速させる効果をもたらしている。
また、言い方も特徴的で、トーンの大きさや節回しによってツッコミを完全に際立たせたやり方だ。ハマらなかった場合、より強調されてしまうきらいもあるが、こと今大会においてはことごとくマッチさせ、一筋縄ではいかない関西の観客を見事に笑いの渦へと誘った。
「ゼロカランといえばツッコミ」というイメージを定着させることに成功させたが、サンミュージックから吉本興業に移籍してきたという経歴を持つ2人のキャラクター自体も面白い。
番組終了後の特別番組『ニューヨークがABCお笑いグランプリ2026王者を徹底解剖!』では先輩であるニューヨークとおなじみの絡みを見せ、意外といない「吉本愛あふれる芸人」として異彩を放った。このあたりはテレビで他事務所芸人と絡んだときに大きな武器となりうる持ち味だ。
ネタからでもキャラからでも取っ掛かりができたゼロカラン。新たなタイトルを手にし、ブレイクへの土台は着々と出来上がってきている。
〈ライブタイムズ編集部 / 文:まっつ〉※本記事は分析・考察を含むコラムです。
第47回ABCお笑いグランプリ2026 presented by SCOグループ
公式HP:https://www.asahi.co.jp/owarai/
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