まばゆいばかりの笑顔、王道のキラキラ感、そして圧倒的な親しみやすさ。なにわ男子というグループを目にするとき、多くの人が天性のアイドル性や恵まれた環境を想像するかもしれない。しかし、彼らの歩みを紐解くと、そこに存在するのは単なる運の良さではない。

結成前の長い下積み時代、関西というアウェイとも似た環境で磨かれた貪欲さ、そして「どうすれば自分たちが一番輝けるか」を泥臭く計算し続けてきた、なにわ男子の生き様は、強烈なセルフプロデュースにより徹底された愛されることや武器を磨くことが反映されているのだ。
彼らの結成は2018年9月初めのこと。マネージャーから一斉送信されたメールで、メンバーに結成の事実が知らされたのが始まりだと言われている。そして、アイドル誌にて発表。同年10月24日、関西ジャニーズJr.公演『Fall in LOVE〜秋に関ジュに恋しちゃいなよ〜』の初日公演で初お披露目となった。
それまでは、別のメンバーとユニットというには心許ない、グループ名はないがよく一緒に活動するような立ち位置を気づいていた大西流星や西畑大吾にとっては、念願のユニット結成。関西ジュニアとしても、ユニット結成は4年ぶりだった。
そこからの勢いは怒涛。個人のみならず、グループとしてもテレビ番組やラジオのレギュラー出演を決める。さらに、それに伴い人気も鰻登り。そのことを象徴するエピソードといえば、『24時間テレビ42』の読売テレビスペシャルサポーターにも就任し、あべのハルカスでのイベントが決まっていたが、想像を上回る来場者数を記録したため出演は中止となったことではないだろうか。
そして、2021年7月28日、なにわの日に開催された、グループの全国アリーナツアー『なにわ男子 First Arena Tour 2021 #なにわ男子しか勝たん』の横浜アリーナの昼の部の公演にて、同年11月12日にCDデビューすることが発表に。
デビューシングル「初心LOVE」は、圧倒的なキラキラ感で多くのアイドルファンの心を刺激。翌年12月31日には『第73回NHK紅白歌合戦』に初出場し、「初心LOVE」を披露した。このような経歴を上げると順風満帆に思われるかもしれないが、シングル「初心LOVE」が70万枚超の売り上げをマークしたのに対し、一時期はその売り上げが半数以下に止まるという事態も。
しかし、2026年にリリースした「HARD WORK」では、「初心LOVE」を超える売上枚数を記録。なにわ男子の底力を見せた。
なぜ、なにわ男子は、根強い人気を誇るのか。それは「王道アイドル」というグループのコンセプトを軸に置きつつ、7人それぞれが全く異なる強みを研ぎ澄ませていったことにあるだろうと感じている。

不動のセンター、メンバーカラー赤の西畑大吾。連続テレビ小説に2回出演経歴を持ち、今年の秋にも「時給三〇〇円の死神」で福本莉子とのW主演が決まっている演技においても大活躍な印象だ。一方、グループではバランサーとしての一幕もあり。西畑がいるだけで安心感がグッと高まる。
きゅるきゅるとしたビジュアルでデビュー当時「女の子?」という声も上がったのは大西流星。そのビジュアルや自己プロデュース力にフォーカスが当てられがちだが、実は笑いに貪欲なメンバーでもあり、バラエティでの立ち振る舞いが上手いなと感心させられることもしばしば。また、一度ステージに立つと、パワフルなダンスもまた魅力だ。
高身長かつ小顔が目を惹く道枝駿佑は、「ViVi国宝級イケメンランキング」にも何度もランクイン。コスメの広告塔に選ばれたり、ドラマや映画に選抜されたりする機会の多さだったりから知名度でグループを引っ張って行っている印象もある。率先して騒ぐわけではないが、彼は彼なりの愛情表現でメンバーを愛おしく思っている姿がなんともたまらない。
中学生の時に、半ば無理やり向けたオーディションで事務所入りを果たした高橋恭平は、2026年「山口くんはワルくない」そして8月7日公開の映画「ブルーロック」を控えているなど2026年は縁起の仕事ラッシュ。男らしい大人びたイメージとは裏腹に、高所恐怖症だったり、ちょっと抜けていたりするところもあるのが、また沼感の強さです。
ふわふわとしたイメージの強い長尾謙杜は、表現力の引き出しが多いイメージ。それはステージでパフォーマンスをしている際、曲ごとに変える表情にも思うことですが、これまでに出演した映画でのバラエティに富んだ役どころにも感じること。昨今は「室町無頼」や「木挽町のあだ討ち」、そして大河ドラマ「どうする家康」などの時代劇でも活躍しており、一目置かれている。
圧倒的な明るいオーラを放つ、藤原丈一郎は実はグループの中でもかなりジュニア歴が長い。そして小柄ながらもダイナミックに見せるダンスは、ライブの時に一際存在感を放っている印象だ。デビュー以降は趣味である野球観戦に関連した仕事も着実に増やす。そうすることで、野球ファンからなにわ男子に興味を持つ層を増やしている印象だ。
そしてリーダーの大橋和也は、とにかく見ているだけで笑顔にさせる魔力を持っている人物。自己紹介のフレーズ「プリン食べすぎてお尻プリンプリン!」を全力でやり切る姿、そして太陽のような笑顔はまさに元気印だ。その一方、一度マイクを持てば圧倒的な歌唱力を誇るのも彼の魅力である。
このようにメンバーによって強みがバラバラな彼ら。しかし、なにわ男子というグループが強いのは、その強みを持って自分ひとりが目立つことではなく、自分がこのチームでどう振る舞えば、グループ全体が一番強く見えるかをメンバー全員が理解している点、バランサー的感覚にあると感じている。
泥臭いほどの愛嬌と泥臭さを感じさせないプロ意識を同居させる彼ら。関西仕込みの貪欲さで、どんな小さなチャンスも逃さない。どれほど売れても高飛車にならず、カメラの向こうのファンや目の前のスタッフに対して、常に謙虚な姿勢は愛される理由だと考えさせられる。
夢に向かって走る道中、自分の武器が分からなくなったり、周囲との差に悩む夜もあるだろう。そんなときは、なにわ男子のステージを見てほしい。泥臭く準備し、賢く魅せ、全力で愛される、彼らが証明し続けるその姿勢は、すべての挑戦者の背中を強く押してくれるはずだ。
現在、なにわ男子は全国ツアー「LIVE TOUR 2026『ND⁵』」を開催中。最新情報は公式サイトでチェックしてほしい。
なにわ男子 公式サイト https://www.storm-labels.co.jp/naniwadanshi
STARTO ENTERTAINMENT アーティストページ https://starto.jp/s/p/artist/56


〈ライブタイムズ / 文:於ありさ〉※本記事は分析・考察を含むコラムです。